計画地は草木が生い茂り、起伏の豊かな場所にある。提案作成に当たっては、この敷地条件を生かし、格式高い重厚な弔いの場所ではなく「穏やかで内部と外部がつながっているような納骨堂」を目指した。審査の結果、横浜市の公募型プロポーザルで初めて最優秀案に選ばれた。
高さを抑え、大きなボリュームを分節し、分けられた一つひとつの棟には性格の異なる庭を設けた。各棟の壁は閉じずに屋根を点で支える軽快なプロポーションにし、棟から長く伸びたひさしが連なることで外部と内部の境界を取り払った。さらに瓦に近い素焼きの2種類のタイルと屋根の形状が変化を生み出し、アンジュレーション(起伏)のある敷地のように「どこから見ても同じ姿にならないようにした」
内部空間は温かみのある木質で表現した。圧迫感をなくした壁、室内と連続する庭によって周辺の豊かな自然環境との一体感をもたらすとともに、「光の扱い」に留意し、トップライトから直接取り込まず、光の反射を活用した。「一番最適な柔らかな光が降りてくるように、天井から光が湧き出るように」し、柔らかな光に包まれるような雰囲気を醸し出している。
このほか深さ7-8mまで掘り下げた地下空間を利用し、安定した熱エネルギーを空調システムに使い、地中熱利用とトップライトの熱回収によってエネルギーロスを低減している。
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