近畿地方整備局淀川河川事務所は、淀川水系で絶滅が危惧されている天然記念物の淡水魚「イタセンパラ」の稚魚確認調査を実施した結果、大阪市の城北地区で577匹を確認したと発表した。2013年10月に放流した成魚の第4世代(ひ孫)となる。ワンドに放流した個体数は第2世代以降、3年連続で安定して確認ができている。
イタセンパラはコイ科タナゴ亜科に属する日本固有の淡水魚で、淀川では生態系保全の象徴として「淀川のシンボルフィッシュ」と呼ばれている。
野生復帰に向けては、同事務所と大阪府立環境農林水産総合研究所が共同で取り組んでいる。両者はイタセンパラが生息するワンドの造成やモニタリングを実施し、生息環境が回復したと考えられる場所に成魚を放流し、経過の確認作業を実施している。
現時点で、野生復帰対策のステップ2となる「成魚が毎年繁殖すること」を達成している。今後も放流場所でモニタリングを継続し、必要に応じてワンド環境の改善や外来生物駆除、密猟対策を実施する。
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