2014/07/28

【群馬建協】「地域建設業の魅力」発信! 「女性」「若者」など4テーマPRに注力


政権交代後のアベノミクスによる経済政策と連動し、それまでの公共事業量削減の流れから増加方向にシフトして2年目を迎えた。公共工事品質確保促進法(品確法)など担い手3法改正に代表されるように、建設産業の健全な発展に向けた施策が相次いで打ち出され、特に疲弊していた地域建設業界をいかに再生するかが焦点になってきた。こうした動きを追い風に群馬県建設業協会(青柳剛会長)は、「地域建設業の魅力を再発見」をコンセプトにした『4つ葉のクローバー』の方針を定め、建設業を県民・国民・社会にPRし、理解促進に向けた積極的な取り組みを開始している。

 群馬建協は、2014年度を「建設業に吹く前向きの風を確実なものにする大事な1年」ととらえ、▽女性▽若者▽IT▽環境--をテーマに、「4つ葉のクローバー」の施策を展開。イメージキャラクター「ぐんケンくん」の採用や、女性目線で建設現場の環境改善を図る「環境すみずみパトロール隊」など建設業の“外側”にいる県民、国民の目を意識した活動を展開している。
 昨年度は、ダンピング対策や労務単価引き上げなど、受発注者間の交渉で成果が数値的に見えやすい活動に取り組んだ。今年度は、イメージキャラクター(ゆるキャラ)の活用など、数字に表れにくいイメージ戦略に力を入れることで、県民の建設業に対する認知度をじわじわと広げ、建設業のブランド力を高めることを目標にしている。
 事業量が継続的に確保される流れの中で従前以上に積極的な施策を打ち出し続ける理由について青柳会長は、「厳しい時には考えて知恵を出すものだが、事業量が増えたからといって取り組みをやめてしまえば、これまでの場当たり的な建設業の体質を変えることはできない」と語る。産業・発注行政変化や事業量の増減に左右されず、協会としての姿勢を保つことで、「会員がものづくりに向けて知恵を出し続けることができるようにしたい。事業量の減少が予想される五輪以降を見据え、国民に評価される産業として次のステップに進むにも、非常に重要な1年になる」とその意義を語る。

◆『4つ葉のクローバー』

このため、『4つ葉のクローバー』施策に基づき、常に先を見据えた戦略を仕掛け続けることに重点を置く。
 『若者』では、子どもが建設業に親しむ機会が増えるよう、全国の建設業協会に先駆けて、イメージキャラクターの「ぐんケンくん」を5月の総会でお披露目した。富岡市で実施した道路クリーン作戦で初仕事を行い、ぐんケン体操を披露。会場は例年以上の盛り上がりをみせた。
 ぐんケンくんのDVDやクラフトワーク、シールなどキャラクターグッズの企画、制作も推進。協会員が幼稚園や保育園、小学校にグッズを配布するなど、地域との交流に役立てている。
 地域建設業を支える工高生の入職支援もこれまで以上に積極展開する。背景には、日本経済全体の景気が上向いたことで、これまでのような即戦力を期待しての中途採用が難しくなり、新卒の工高生を雇用し育てる必要性が高まっていることが要因にある。
 具体的には、群馬県と連携し、県内工業高校で生徒と保護者を対象にした説明会を巡回実施している。協会はPR冊子を作成し、事業量の増加など建設業界を取り巻く環境が変化してきたことや、業界のイメージアップに取り組む活動を紹介。また、入職後の技術者としてのキャリアパスを明示し、目的意識を持って業界を目指す若手を一人でも増やせるよう取り組んでいる。
 『女性』では、「環境すみずみパトロール隊」が建設現場を視察することで、女性目線による職場環境の改善に取り組む。女性が生き生きと働ける環境を構築することを目標にしており、若手も含め誰もがより働きやすい職場づくりに取り組んでいることをアピールしていく。
 こうした取り組みとともに、改正品確法の運用には大きな関心を寄せている。特に適正利潤の確保に向け、国や自治体の発注事務の統一ルールとなる運用指針づくりが今後より具体化していく段階で、会員企業の意見を集約し、反映させていきたい考えだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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