2014/07/05

【マーケット断面】セメント業界の上昇続く売上高 支えるのは経営体質の改善

セメント協会発行の『セメントハンドブック2014年度版』で、興味深い統計がある。会員会社のセメント部門売上高を集計した企業経営の項目。過去10年間の業績推移はセメント業界を取り巻く事業環境を如実に現しているが、苦悩を乗り越えて成長してきた業界の姿も浮き彫りになっている。

 現在の会員数は17社。売上高合計は10年度を底に上昇を続けてきた。直近13年度は5500億円規模まで回復した。これは01年度に次ぐ数字だ。セメント業界の足跡は国内建設投資の動向に連動していることは言うまでもない。

注目すべきは在籍従業員数だ。04年時点で合計9000人台の組織規模は、07年度に8000人台、10年度からは7000人台に縮小。11年度から13年度までは約7500人規模で推移している。苦しい経営環境の中で組織スリム化など苦渋の選択をしてきたことがうかがえる。
 従業員1人当たりの平均売上高は5000万円台で推移してきた。人数を減らし、売り上げを伸ばしてきた11年度からは6000万円台に回復。そして13年度は7400万円まで成長を遂げている。中には最高益を達成した企業もあり、経営体質の改善が図られていることを示す。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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