【鴻池組】「全断面追尾式穿孔誘導システム」搭載! 3ブーム・ジャンボ開発

鴻池組は、発破工法を採用する山岳トンネルにおいて高速安全施工を可能とする「全断面追尾式穿孔誘導システム」を開発した＝写真。このシステムを搭載した3ブーム・ジャンボを鉄道建設・運輸施設整備支援機構九州新幹線建設局発注の九州新幹線（西九州）新長崎トンネル（東）他工事に導入しており、今後はシステムのさらなる高度化を図るとともに、大型トンネルの受注案件に積極的に採用していく方針だ。
　発破工法で高速施工を目的として長孔発破を行う場合、芯抜きなどの各穿孔の精度が重要で、精度が低ければ余掘りが大きくなり、想定した掘進を行えないこともある。
　そこで鴻池組は、古河ロックドリル（東京都中央区）、マック（千葉県市川市）と共同で開発していた「自動追尾式余掘り低減システム」をさらに高度化した「全断面追尾式穿孔誘導システム」を開発。切羽穿孔の精度向上、余掘りの低減、高速安全施工を実現させた。
　従来の「自動追尾式余掘り低減システム」は、掘削面に沿った周辺孔などジャンボのガイドシェル後端に設置した測量用ミラーを視認できる範囲でのみ適用可能だったが、新システムではジャンボに各種センサーを追加し、芯抜きを始めとする全断面について穿孔を誘導できるようになった。切羽のどの位置についても操作盤に設置した画面上で分かりやすくガイダンスするため、穿孔精度も向上させている。
　今回完成させた3ブーム・ジャンボでは、全ブームに穿孔探査機能を搭載しており、穿孔のたびに切羽前方やトンネル周辺の地山状況を確認することができる。各ブームに搭載している削岩機の能力は国内最大となる170㎏超級クラスで、30mの探査を1時間以内で終えることができるという。
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