日本建築学会の2014年度・特色ある支部活動に採択された「東北地方における建築デザイン教育の質的向上に向けた、教育機関と設計実務界をつなぐ教育プラットフォームの構築」事業がスタートした。東北地方を中心にプロフェッサー・アーキテクトとして活躍し、事業推進の中心的役割を担う櫻井一弥氏(東北学院大教授、SOYsource建築設計事務所主宰)にねらいや活動方針などを聞いた。
建築教育機関と設計実務界を結ぶ架け橋となるプラットフォームの構築事業は、東北地方で建築デザイン教育に携わる教員および学生の交流と情報交換を促し、ノウハウや教育スキルを共有するものだ。教育機関だけでは不足がちな現場感覚を養うため、実務界の意見を取り入れながら、学生の意識を高めるねらいがある。
その背景には「耐震偽装事件による建築士法改正とそれに連動した1級建築士受験資格の見直しがある」という。より実践的なカリキュラムの導入など、建築系教育システム全般に変革が求められたものの、「依然として学術的な要素が多く、実務まで手が回らないのが現状だ。地元企業からは建築技術を学んだ人材を求める声も多く、改善の必要性を感じている」と語る。
プラットフォームでは、教育機関と建築関連団体を中心に民間企業とも連携しながら、▽建築学会東北支部建築デザイン発表会の創設▽JIA東北建築学生賞への支援と協力▽各大学・高専の建築教育カリキュラムの情報共有▽設計製図講評会への参加--などに取り組む。
このうち、建築学会東北支部の建築デザイン教育部会長として若井正一前支部長から依頼を受けた支部建築デザイン発表会の創設は、小地沢将之仙台高専准教授ら気心が知れた若手研究者を集め、昨年から検討を重ねている。「研究発表がベースの市民公開イベントみちのくの風に、デザイン系イベントを組み込むことで、デザイン系の教員や学生の積極的な参加を促したい」と、15年度の実施へ準備を進める。
また、デザイン教育の充実と活性化を目的に創設し、ことしで18回目を迎えるJIA東北建築学生賞やJIA宮城地域会主催行事を主管する事業委員長の立場にあり、建築学会東北支部としてもこれらに協力する考えだ。
さらに昨年12月にデザインウィークinせんだい内のイベントとしてJIA東北支部協力会の力を得て実施した「学生作品への技術提案」を充実させる方針だ。「協力会員の建材メーカーが、それぞれの技術や商品を用いて学生の想像を現実的に創造してもらう。現場感覚の希薄な学生に裾野が広い建築生産システムを見せたい」と力を込める。
12月3日には、せんだいメディアテークでイベントを開催する。地盤から仕上げまで建物が成立する過程をストーリー仕立てでプレゼンテーションし、技術的な裏話なども紹介する。「学生とメーカーとの交流の場になればいい」と期待を寄せる。
また、教育機関同士の情報共有やシンポジウムへの参加だけにとどまらず、日常的に行われている設計製図講評会などに参加することで、教員や学生同士の交流をより深める考えだ。「東北地方の建築教育機関は、広域であるが故に連携が図りにくかった。こうしたプラットフォームをつくり、これまで以上に交流や情報交換を進め、東北地方全体の建築デザイン教育の底上げにつなげたい」と意欲を示す。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
建築教育機関と設計実務界を結ぶ架け橋となるプラットフォームの構築事業は、東北地方で建築デザイン教育に携わる教員および学生の交流と情報交換を促し、ノウハウや教育スキルを共有するものだ。教育機関だけでは不足がちな現場感覚を養うため、実務界の意見を取り入れながら、学生の意識を高めるねらいがある。
その背景には「耐震偽装事件による建築士法改正とそれに連動した1級建築士受験資格の見直しがある」という。より実践的なカリキュラムの導入など、建築系教育システム全般に変革が求められたものの、「依然として学術的な要素が多く、実務まで手が回らないのが現状だ。地元企業からは建築技術を学んだ人材を求める声も多く、改善の必要性を感じている」と語る。
プラットフォームでは、教育機関と建築関連団体を中心に民間企業とも連携しながら、▽建築学会東北支部建築デザイン発表会の創設▽JIA東北建築学生賞への支援と協力▽各大学・高専の建築教育カリキュラムの情報共有▽設計製図講評会への参加--などに取り組む。
このうち、建築学会東北支部の建築デザイン教育部会長として若井正一前支部長から依頼を受けた支部建築デザイン発表会の創設は、小地沢将之仙台高専准教授ら気心が知れた若手研究者を集め、昨年から検討を重ねている。「研究発表がベースの市民公開イベントみちのくの風に、デザイン系イベントを組み込むことで、デザイン系の教員や学生の積極的な参加を促したい」と、15年度の実施へ準備を進める。
また、デザイン教育の充実と活性化を目的に創設し、ことしで18回目を迎えるJIA東北建築学生賞やJIA宮城地域会主催行事を主管する事業委員長の立場にあり、建築学会東北支部としてもこれらに協力する考えだ。
さらに昨年12月にデザインウィークinせんだい内のイベントとしてJIA東北支部協力会の力を得て実施した「学生作品への技術提案」を充実させる方針だ。「協力会員の建材メーカーが、それぞれの技術や商品を用いて学生の想像を現実的に創造してもらう。現場感覚の希薄な学生に裾野が広い建築生産システムを見せたい」と力を込める。
12月3日には、せんだいメディアテークでイベントを開催する。地盤から仕上げまで建物が成立する過程をストーリー仕立てでプレゼンテーションし、技術的な裏話なども紹介する。「学生とメーカーとの交流の場になればいい」と期待を寄せる。
また、教育機関同士の情報共有やシンポジウムへの参加だけにとどまらず、日常的に行われている設計製図講評会などに参加することで、教員や学生同士の交流をより深める考えだ。「東北地方の建築教育機関は、広域であるが故に連携が図りにくかった。こうしたプラットフォームをつくり、これまで以上に交流や情報交換を進め、東北地方全体の建築デザイン教育の底上げにつなげたい」と意欲を示す。
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