“働く女性たちのたくさんの笑顔や才能がしなやかに咲き誇る”という意味が込められた東京建物の「Brillia Bloomoi/ブリリア ブルーモワ」。同社の女性社員が中心となって進める、働く女性のニーズに焦点を当てた分譲マンション開発プロジェクトだ。イベントやフェイスブックなどを通じて働く女性の声を集め、「働く女性と共に考え、共に創る『共創』」のプロセスのもと、対話型の商品開発に取り組む。写真はプロジェクトメンバー。前列中央が野口氏、左が渡瀬氏。
同社はこれまでも、住宅購入検討者へのヒアリングなどを通じ商品開発に生かしてきた。女性の社会進出が加速化し、ライフスタイルや住まいのニーズの多様化が進む中、働く女性たちにさらに寄り添う住まいを提供していきたいという思いからスタートした。
6人で始まったブルーモワのプロジェクトメンバーは現在8人。それぞれが本業のかたわらプロジェクトに携わっている。
当初から、プロジェクトのリーダーを務める同社の野口真利子住宅商品管理部課長代理は、「自身がマンション購入世代の働く女性であるからと、柴山久雄住宅事業本部長に任命されたのがきっかけ」と、メンバーになった経緯を振り返る。
プロジェクトは、▽時間効率+happyのアイデア▽自分らしさを実現できるセレクトシステム▽家族の絆や家事サポートを育む工夫--の3つのコンセプトに基づき商品開発が進められた。
野口氏は、男性が多い業界にあって「働く女性の幸せ、悩みなどから、コンセプトを導き出す取り組み自体を社内、関係者で共有することが難しかった」と当初の苦労を語る。というのも、「女性は商品の開発プロセスや、なぜそうなったかという考え方に共感して買うが、男性はスペック重視の傾向が強い」からだという。
◆「思い込み」見直し無償でタイプ選択
プロジェクトの目玉のセレクトシステムでは、作り手による“思い込み”を一度見直した上で、商品開発に女性目線の意見を反映した。
「有償だと、お客さまの予算的制約から、モノがよくても選ばれにくいため、できる限り無償で選べるようにこだわった。実際に選んだものを入居して使って、どうだったかというところまで追いたい。次の物件にフィードバックして改善するため、使われるものをつくる」(野口氏)。
例えば、グループインタビューやアンケート、フェイスブックなどで働く女性の声を集めると、マンションで主流だった対面型キッチンは、意外にも「油、水、匂い、音がリビングにもれる」との声があった。「子どもが大きくなると見ている必要もない」「対面型は場所をとる」「集中して料理をしたい」との理由で、むしろ背面キッチンの人気が高いことも分かった。
洗面化粧台では当たり前とされていた三面鏡も、女性目線では「鏡の裏の収納が浅い」「鏡までの距離が遠くてメイクがしにくい」といった意見も。「大きめのドライヤーやスチーマーを収納する場所がない」などの理由から「一面鏡プラス奥行きのあるオープン棚」を選択肢に加えた。実際、購入者の4分の3がブルーモワが提案した洗面化粧台を選んだ事例もある。
専業主婦からも「女性目線のものづくり、いろいろ声を聞いてできた商品そのものを非常に評価してもらった」(野口氏)と評判も上々だ。
今夏竣工する「Brillia大山Residence」(東京都板橋区)、「Brillia下丸子」(同大田区)にもブルーモワは参画し、購入者から高評価を得た。
◆異業種女性とも交流/つながりがうれしい
渡瀬みずほ広報IR室課長代理はメンバーになった感想を、「さまざまな部署のメンバーが集まっているため、横断的な良さがある。家族構成、置かれている状況など、いろいろな視点が得られて、自分の視点も生かせている」と話す。
野口氏も、「異業種の女性と交流し、働く女性の社会環境を良くしていこうと、つながっていくのがうれしい。社内でもブルーモワを一緒にやりたいという人が増えれば」と期待を込める。
ブルーモワ参画の新物件として、「Brillia久我山」(東京都杉並区)が今冬、「Brillia田辺」(大阪市東住吉区)が来春に完成する。
今後は働く女性の時間づくりに貢献するため、家事代行やハウスクリーニングなどのソフトサービスも検討課題だ。渡瀬氏は「自分が体験・体感していないものをお客さまには伝えられない」ときっぱり。実際に「メンバーの家で、家事代行を実験する」ことも考えており、これからも多様なニーズに応えた住まいづくりに余念がない。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
同社はこれまでも、住宅購入検討者へのヒアリングなどを通じ商品開発に生かしてきた。女性の社会進出が加速化し、ライフスタイルや住まいのニーズの多様化が進む中、働く女性たちにさらに寄り添う住まいを提供していきたいという思いからスタートした。
6人で始まったブルーモワのプロジェクトメンバーは現在8人。それぞれが本業のかたわらプロジェクトに携わっている。
当初から、プロジェクトのリーダーを務める同社の野口真利子住宅商品管理部課長代理は、「自身がマンション購入世代の働く女性であるからと、柴山久雄住宅事業本部長に任命されたのがきっかけ」と、メンバーになった経緯を振り返る。
プロジェクトは、▽時間効率+happyのアイデア▽自分らしさを実現できるセレクトシステム▽家族の絆や家事サポートを育む工夫--の3つのコンセプトに基づき商品開発が進められた。
野口氏は、男性が多い業界にあって「働く女性の幸せ、悩みなどから、コンセプトを導き出す取り組み自体を社内、関係者で共有することが難しかった」と当初の苦労を語る。というのも、「女性は商品の開発プロセスや、なぜそうなったかという考え方に共感して買うが、男性はスペック重視の傾向が強い」からだという。
◆「思い込み」見直し無償でタイプ選択
プロジェクトの目玉のセレクトシステムでは、作り手による“思い込み”を一度見直した上で、商品開発に女性目線の意見を反映した。
「有償だと、お客さまの予算的制約から、モノがよくても選ばれにくいため、できる限り無償で選べるようにこだわった。実際に選んだものを入居して使って、どうだったかというところまで追いたい。次の物件にフィードバックして改善するため、使われるものをつくる」(野口氏)。
対面キッチンよりむしろ人気が高いことがわかった背面キッチン(Brillia大山Residence) |
Brillia下丸子の洗面化粧台。メイクがしやすいよう顔から30センチの距離に鏡を設置した |
専業主婦からも「女性目線のものづくり、いろいろ声を聞いてできた商品そのものを非常に評価してもらった」(野口氏)と評判も上々だ。
今夏竣工する「Brillia大山Residence」(東京都板橋区)、「Brillia下丸子」(同大田区)にもブルーモワは参画し、購入者から高評価を得た。
◆異業種女性とも交流/つながりがうれしい
渡瀬みずほ広報IR室課長代理はメンバーになった感想を、「さまざまな部署のメンバーが集まっているため、横断的な良さがある。家族構成、置かれている状況など、いろいろな視点が得られて、自分の視点も生かせている」と話す。
日本デザインセンターの「MAMA PRO」と共同で行われた防災ワークショップ |
ブルーモワ参画の新物件として、「Brillia久我山」(東京都杉並区)が今冬、「Brillia田辺」(大阪市東住吉区)が来春に完成する。
今後は働く女性の時間づくりに貢献するため、家事代行やハウスクリーニングなどのソフトサービスも検討課題だ。渡瀬氏は「自分が体験・体感していないものをお客さまには伝えられない」ときっぱり。実際に「メンバーの家で、家事代行を実験する」ことも考えており、これからも多様なニーズに応えた住まいづくりに余念がない。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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