毎号多彩な分野の特集を組み、一般市民にも分かりやすい内容で建築・都市のあり方を考えるための話題を提供する日本建築家協会(JIA)の会報誌『JIA MAGAZINE』。2013年8月号では建築家の槇文彦氏が新国立競技場を論じた論文「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」を掲載して新国立競技場整備のあり方に一石を投じ、社会に大きな影響を与えた。建設産業界全体の情報発信力が問われる中で、専門家は誰に、何を、どう伝えるべきなのか。『JIA MAGAZINE』の新編集長に就任した建築家の今村創平氏に聞いた。
前編集長の古市徹雄氏から13年秋に編集長就任の打診があり、14年4月号から編集長に就任した。古市氏が取り組んだテーマ「建築・都市のパラダイムシフト」を継承し、特集「ネクスト:建築家のこれから」を開始。会誌には「社会環境・制度が変化する状況に対して、建築のプロフェッションである建築家はどうあるべきかを示す」役割があるという。
重視するのは、会員である建築家にとって有益な情報の発信だ。「建築家がやるべきことは時代の中にある」とし、「建築の使命は変化してもなくなることはない。時代の変化をとらえ、全国の建築家にとって意味のある紙面にする必要がある」と述べる。特集を通じて「最先端の話題であると同時に、資料としての耐久性のある情報を掲載する」と力を込める。
編集方針については「個人の意見を強く押し出すのではなく、特定の主張の肩を持つのでもない」と強調。一方で新国立競技場整備に対する槇氏の論文と反響について「建築の問題に建築家がどうすべきか、建築家が社会からどう見られているかを建築家自身が知らないという事実を浮き彫りにした」と分析し、今後も「公益社団法人として商業誌には載せられないような有益な情報を掲載したい」と語る。
既に発刊された号では、建築を専門外とする人物へのインタビュー、宮古島やカンボジアといった多様な地域における建築家の活動も積極的に取り上げている。「社会構造が変化する中で建築家がどうあるべきか。マジョリティーではない建築家が国内外で取り組んでいる活動の苦労などを紹介し、情報を共有する。会員の視野を広げることで、建築家がどうあるべきかを考えるきっかけをつくりたい」という。
また、こだわりを持っていることの1つに、毎号の表紙に掲載しているスケッチがある。毎回著名な建築家を取り上げ、その直筆スケッチを原則的に原寸大で掲載している。「JIAは建築家の集まりだ。建築家は建築を構築する存在であり、その原点である建築家のスケッチを表紙として採用した」という。これまでに前川國男、坂倉準三、吉阪隆正、大江宏のスケッチを掲載。読者からの反応も上々だという。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
前編集長の古市徹雄氏から13年秋に編集長就任の打診があり、14年4月号から編集長に就任した。古市氏が取り組んだテーマ「建築・都市のパラダイムシフト」を継承し、特集「ネクスト:建築家のこれから」を開始。会誌には「社会環境・制度が変化する状況に対して、建築のプロフェッションである建築家はどうあるべきかを示す」役割があるという。
重視するのは、会員である建築家にとって有益な情報の発信だ。「建築家がやるべきことは時代の中にある」とし、「建築の使命は変化してもなくなることはない。時代の変化をとらえ、全国の建築家にとって意味のある紙面にする必要がある」と述べる。特集を通じて「最先端の話題であると同時に、資料としての耐久性のある情報を掲載する」と力を込める。
編集方針については「個人の意見を強く押し出すのではなく、特定の主張の肩を持つのでもない」と強調。一方で新国立競技場整備に対する槇氏の論文と反響について「建築の問題に建築家がどうすべきか、建築家が社会からどう見られているかを建築家自身が知らないという事実を浮き彫りにした」と分析し、今後も「公益社団法人として商業誌には載せられないような有益な情報を掲載したい」と語る。
既に発刊された号では、建築を専門外とする人物へのインタビュー、宮古島やカンボジアといった多様な地域における建築家の活動も積極的に取り上げている。「社会構造が変化する中で建築家がどうあるべきか。マジョリティーではない建築家が国内外で取り組んでいる活動の苦労などを紹介し、情報を共有する。会員の視野を広げることで、建築家がどうあるべきかを考えるきっかけをつくりたい」という。
7月号の表紙は大江宏の直筆スケッチを掲載 |
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