プロサッカークラブ「ガンバ大阪」のホームスタジアムとなる(仮称)吹田市立スタジアムの起工式が15日、大阪府吹田市にある千里万博公園内の現地で行われた。設計施工は竹中工務店、CM(コンストラクション・マネジメント)を安井建築設計事務所が担当。2015年秋の完成を目指している。
神事「起工の儀」では、スタジアム建設募金団体の金森喜久男代表理事、関西経済連合会の下妻博相談役と森詳介会長、川淵三郎日本サッカー協会最高顧問、大東和美日本プロサッカーリーグチェアマン、鬼武健二大阪府サッカー協会会長、野呂輝久ガンバ大阪社長の7人で鋤(すき)を入れた。続く鍬(くわ)入れでは、施工者代表の竹中統一竹中工務店取締役会長が力強く鍬を振るった。
「玉串奉てん」で鋤入れ、鍬入れした8人のほか、安井建築設計事務所の佐野吉彦社長らが神前に榊をささげた。
神事を終えて施主、設計施工の代表者らがあいさつに立った。
このうちスタジアム建設募金団体の金森代表理事は、計画の経緯を振り返りながら「多くの方の支援により寄付が集まっているが、まだそれでも(事業費が)足りていない。ぜひ目標金額を達成し、4万人規模のスタジアムをつくり上げたい」と改めて募金への協力を訴えた。
CMを担当した安井建築設計事務所の佐野社長は、「プロジェクトの要となる仕事を仰せつかり、施主の皆さんの熱い志に触れることができた。スポーツを愛する全ての人の情熱を受け止め、任務を全うする」とあいさつ。また竹中会長も「この意義深いプロジェクトに参画できることを大変光栄に思っている。未来に誇れるスタジアムにするためにも、全社を挙げて無事故・無災害で工事に取り組む」と意気込みを述べた。
その後は市民向けの第2部へと移り、ガンバ大阪の野呂社長、地元吹田市の井上哲也市長らによる鏡割りなどが行われ、雰囲気を盛り上げた。
規模はRC・S造6階建て延べ6万6355㎡で収容人員は4万人。世界初となる超軽量・免震屋根架構(3Dトラス構造)を採用したほか、スタジアムピッチ照明はLED(発光ダイオード)を採用、従来の同規模スタジアムより大幅にエネルギー使用量を削減するなど、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランクの「エコ・コンパクトスタジアム」を目指す。
事業主体はスタジアム建設募金団体で、企業や市民からの寄付金とスポーツ振興事業関連の助成金で建設。現時点で目標140億円に対し、助成金も含め113億円の寄付を集めている。完成後は吹田市に寄贈、ガンバ大阪がホームスタジアムとして使用するほか、地域住民や企業の交流や地域の防災拠点としての機能も担う。
建設地は、同市千里万博公園3の敷地約9万㎡。
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