安藤忠雄氏(撮影:林景澤) |
フランスとのかかわりは、建築家人生の原点だ。「写真で見たル・コルビュジエの作品に感銘を受け、初めてフランスに渡ったのが1965年。実際に作品を見て回り、建築家になろうと覚悟を決めた。あれから50年、建築の仕事を通して、常に闘い続けてきた」と振り返る。『住吉の長屋』などの小住宅の設計からキャリアをスタート。瀬戸内海の直島では「文化の島」を創造する取り組みに挑戦。その作品は海外でも高く評価され、アメリカやヨーロッパ諸国など、活躍の舞台を世界に広げ、魅力的な建築をつくり続ける。
「建築の仕事はひとりではできない」と常々話す。「海外で仕事をして痛感するのは、日本の現場技術者や職人たちのレベルの高さ。その技術力、品質・スケジュールの管理能力、創造力にはいつも感服している」と、つくり手への賛辞を惜しまない。
現在、海外で手掛けるプロジェクトは、全体の8割を占める。中国、韓国、台湾など、近年はアジアでの活躍が際立つ。「建築を通した文化交流の促進を常に意識しながら仕事に臨んできた。そこが評価されたのかもしれない。発展目覚ましいアジア諸国では、地球環境に配慮し、品質が高く耐用年数が長い建築づくりでも貢献していきたい」と決意を新たにした。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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