フジタは、湖沼やため池などの水を、カキツバタなどを植えた浮島だけで浄化する技術を確立した。一度浮島を施工すれば、最低でも20年程度はメンテナンスなしで水質浄化が持続する。植えた植物は、毎年春先に新芽と交代するため、刈り取りや生育管理も不要。既にゴルフ場の修景池で技術的に実証しており、全国で水質が悪化している都市公園やため池に提案していく。
同社が今回確立した技術は、既に開発済みの「フェスタ工法」を改良したもの。これまでの工法では、水中の植物(沈水植物)と水上にも露出する植物(抽水植物)を併用していたが、浮島に植えた抽水植物だけにすることでメンテナンスフリーを実現した。
浮島は、いかだのような形をしており、これに設置した多孔質の材料にカキツバタやマコモなどの植物を植え、水中にアンカーなどで固定する。一度施工すれば、冬に枯れた植物がいかだの表面で水中分解され、翌年の春に新芽が出て夏季にはまた浄化を行う。
同社は4年間にわたって、神奈川県厚木市の「大厚木カントリークラブ」の修景池で実証実験を続け、この工法で夏の植物プランクトン濃度を77%削減した。この池にはゴルフ場の浄化槽からの水も流入しているが、窒素やリンなどの物質も従来から6割削減して川へ放流できた。
一般的には20%程度必要な池の浄化に必要な浮島の面積がわずか5%程度で済む。より面積が広ければ浄化率も向上するという。
コストは1㎡当たり約3000円で、1haでは1億円程度。同社では、年間3件で3億円程度の受注を見込んでいる。
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