都市再生機構とムジ・ネット(本社・東京都豊島区)が共同で取り組む「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」の首都圏での初弾プランとなる住宅が、高島平団地(東京都板橋区)に完成した。1972年に管理を開始し、かつては“東洋一のマンモス団地"と称された同団地を舞台に、「こわしすぎず、つくりすぎない」をコンセプトに掲げ、団地の特徴である古い柱などを空間のアクセントとして残しながら、キッチンや床材などを開発。暮らしに合わせて自由度の高い空間に再生した。
これを皮切りに14年度からは、「品川八潮パークタウン潮路南」(品川区)「国立富士見台」(国立市)など首都圏の団地でも積極的に展開する考え。
12日に現地で会見した機構の大谷幸生東日本賃貸住宅本部長は「団地再生は何といっても、若い夫婦の感性に響き、若い世代に住んでもらえることがポイント。今回はそれに向けたチャレンジだ」と話した。
ムジ・ネットの田鎖郁男専務も「若い世代の住まい手はセンスがよく、住まいへのリテラシーが高いことを踏まえ、古いものを隠すのではなく、住まい手のセンスに合わせて暮らしを編集していく素地になるものを提供したい。物の消費を見続けてきたわれわれと、暮らしのスタンダードを守り続けてきた機構のチャレンジが新たなスタンダードの追求に向けて良い方向に進めば」と期待を込めた。
リノベーションに当たっては、麻畳を共同開発することで快適性とデザイン性を追求したほか、「アクリルらんま」を開発することで空間を広く感じさせるよう工夫した。そのほか「ダンボールふすま」により暮らしに合わせた伸縮自在な空間配置を可能にし、室内干しと湿気の調整ができるサンルームなども実現。
機構は「今後、子育て世代向けのリノベーションについても適当な団地があれば実施したい」としている。
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