2016/06/28

【ポラス学生コンペ】最優秀は道ノ本健大・冨安達郎さん(法政大院)の「27のエントランスを持つ街」


 ポラスグループのポラス(埼玉県越谷市)は23日、第3回学生・建築デザインコンペティションの公開審査会を開いた。応募作品525点の中から1次審査を通過した5点を審査し、道ノ本健大・冨安達郎さん(法政大大学院)の「27のエントランスを持つ街」を最優秀賞に決めた。3つの住戸パターンを設け、規格化したことなどを評価した。

 審査委員長の青木淳氏(青木淳建築計画事務所)は、「設計していく中で、課題となるものを繰り返し、こつこつ見つけていく。そこで結果的におもしろいものができる」と先輩建築家の経験を伝えた。続けて「模型を作って大変な思いをしたわけだが、図面では分からなかったこと、本人たちが悩んだことなどが見えてきた。設計は思いつきだけではできないと思う」と苦労をねぎらった。
 同社は、コンペ内の一作品から実際の物件へと発展させる「実物件化プロジェクト」を紹介した。今回の応募作品でも対象となるものがあれば実物件化する方針だ。2017年度も同コンペを開催する予定。さらなる学生らの柔軟なアイデアに期待を寄せている。

受賞者と審査員

 今回のテーマは「同じ家が集まってできる、豊かな街」。三角形の敷地に規模が6-10棟程度の木造、近隣に小川が流れていることなど比較的難しい条件の作品を求めた。青木氏のほか、今井公太郎(東京大生産技術研究所教授)、乾久美子(乾久美子建築設計事務所)、前田圭介(UID)、野村壮一郎(ポラスグループ)の各氏が審査した。
 コンペはポラスグループの創業45周年記念事業の1つで、建築業界発展に向けた貢献を目的に14年から開催している。第1回コンペの作品は分譲住宅のミライズ三郷中央「繋ぐ街」として反映し、すでに物件化している。
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