2016/06/19

【大阪歴史博物館】戦前の「郷土建築」保存運動を紹介 「泉布観」立面図も! 6/15-8/9@大阪市


 大阪歴史博物館(大阪市中央区)で、戦前の日本建築協会にスポットを当てた特集展示が15日からスタートする。写真は大阪府最古の洋風建築である泉布観。立面図が展示される(photo:Mc681)

 大正後期から昭和の初期にかけて進んだ大阪の急激な都市化を背景に、失われつつあった江戸時代以来の古い町家や明治初期の洋風建築といった「郷土建築」を保存しようとする運動が、日本建築協会発行の雑誌『建築と社会』誌上で展開された。同展示はこの「郷土建築」に関する絵画や図面など約40点を紹介する。日本建築協会が後援している。
 1931(昭和6)年ごろに作成され、翌年『建築と社会』にも掲載された大阪府最古の洋風建築である泉布観(大阪市北区)の立面図は、建物当初の姿を知る上で貴重な図面。また戦前の大阪で活躍した建築家・本間乙彦の手によるスケッチ「靱下ノ橋」には、現在の大阪市西区にあった旧大阪府庁舎のドーム屋根が描かれている。7月9日には関連事業としてシンポジウムも開催する。
 特集展示「郷土建築へのまなざしと日本建築協会」は8月1日まで開催。入館料(常設展示観覧料)は大人600円、高校・大学生400円。問い合わせは、同博物館・電話06―6946―5728。
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