2016/06/07

【東京建築士会】公開シンポ「東京edoをひらく」 変わりゆく社会での建築士のあり方探る


 東京建築士会(中村勉会長)の女性委員会(中野晶子委員長)は4日、東京都中央区の同会会議室で公開シンポジウム「東京edoをひらく-人と地域をつなぐ新しい空間のかたち」を開いた。

 冒頭、中村会長は「社会がどんどん変わっていく中で、建築士の領域も社会の川上から川下まで広がっていく。きょうのシンポジウムではこれからの建築士のあり方や新しい場を生み出す空間のかたちを皆さんと考えていきたい」とあいさつ=写真。中野委員長も「東京の、わたしたちが住むこの場で建築士が何をできるのか探っていきたい」と語った。

中村勉会長

 このあと、東京・谷中で築50-60年の木造賃貸アパートを改修し地域に開かれたかたちで運営まで手掛ける建築家の宮崎晃吉氏(HAGI STUDIO代表)と、江戸時代の暮らし方を研究する成城大民俗学研究所研究員の小沢詠美子氏、世界最大手の空き部屋シェアサイトを運営するAirbnb(エアビーアンドビー)の日本法人、Airbnb japan代表取締役の田邉泰之氏の3人が、それぞれ講演した。
 この中で宮崎氏は、民間運営の「最小文化複合施設」であり「日常的に文化に触れ続けられる場、時間で機能を切り替えられる場」とした『HAGISO』と、「まちの良さ、価値をきちんと伝える、まちに住むように滞在する」宿泊施設の『hanare』を実現していくプロセスや仕掛けを説明しながら、老朽化した空き家といった「負荷」を、ここだけでしか体験できない「付加価値」に転換し、「エリア全体の価値を高めていく」ことが必要だと強調。そのためにも「デザインの力は大きい」としながら、「建築家は単にものをつくるだけではなく、建物やまちの使いたおし方のプロであり、どうやったら今あるものがきらめくものになるかを考えていく職能」だとした。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿