2016/06/20

【熊本地震】仮設住宅に「みんなの家」プロジェクトを導入 集いの場ある配置へ


 熊本県は、応急仮設住宅の整備に当たり、くまもとアートポリス(KAP)事業の一環として東日本大震災などで取り組んだ「みんなの家」プロジェクトを導入している。住戸の配置計画では1戸当たりの敷地面積にゆとりを持たせ住環境の向上を図っている。

 みんなの家は、KAPコミッショナーで建築家の伊東豊雄氏が提案した仮設住宅の団地内に設置する集会所・談話室で、東日本大震災や熊本広域大水害の被災地に設置し、被災者の集いの場として活用された。熊本県内に建設する応急仮設住宅でも、木造のみんなの家を一定規模の団地に設置する。配置計画の検討でも、伊東氏の意見を取り入れ、共通仕様とした。
 1戸当たりの敷地は従来の100㎡から、150㎡と広くし、隣棟間隔は4m程度から6・5、5.5mとした。住棟間には小路を設け、庇(ひさし)や木製ベンチを設置し=写真、駐車場やみんなの家は各住宅からアクセスしやすい場所に配置する。
 住宅は木造とプレハブの2タイプ。プレハブでも内部は県産木材の使用や和室を一部設けるなど、できる限り木造の住環境に近づける。県産畳表、遮音壁、断熱材などを採用する。応急仮設住宅は14日現在、県内16市町村で67団地3025戸の整備が進められており、このうち3町5団地232戸が完成している。
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