2013/01/30

【現場の逸品】汚染土壌処理に加工しやすい放射線低減膜「ラプロテックス」

太陽工業、平岡織染は共同で、放射線低減膜材料「ラプロテックス」の開発に成功した。人体に有害な放射線の通過を低減させるため、ポリエステル繊維の基布に胃部X線検査にも使われる「硫酸バリウム」と塩化ビニール樹脂などをコーティングした。低レベルの放射性物質を含んだ土壌や焼却灰を入れる除染用バッグ、野積みシートとして売り込む。
 ラプロテックスは、鉛やレアメタルを使った従来品と比べ、低コストで柔軟性や加工性にすぐれた特性がある。折りたたんでコンパクトに現場搬入できるため、設置条件が厳しいスペースでも対応でき、水の浸入も寄せ付けない。建築用テントと同様の耐候性を備え、屋外で10年程度の使用が可能という。
 除染用バッグのほか、野積みシートなど保管用としてだけでなく、低レベル放射線地域で働く人々の空間を外部と仕切ることで、作業環境の改善にも貢献できるとしている。販売価格は、従来膜素材と比較した場合、製品ベースで2倍から4倍になる見通し。両社は東北地方を中心に営業提案に乗り出している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年1月30日 12面

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