この日は、行政機関や建設コンサルタント企業などから約500人が参加。冒頭、あいさつに立った真野支部長は「全国には約70万もの道路橋があるが、その大半は高度経済成長期に建設された。人間に例えれば“還暦”を迎える橋も多く、さまざまな部分が悪くなっている。シンポジウムを通じて修繕コストを抑えながら安全性を確保する方法を考えてほしい」と呼び掛けた。
続いて、国土技術政策総合研究所の玉越隆史道路構造物管理研究室長が「道路橋示方書改訂概要と維持管理の確実性と容易さ」と題して基調講演した。この中で玉越氏は「改訂前の示方書では『維持管理の容易さ』という表現だったが、『確実性』という3文字が加わった意義は大きい」と強調した上で「今後の橋梁の設計に当たっては、維持管理が困難な構造の排除が求められる」と語った。
また、東日本大震災で破壊された沿岸道路を高台の道路が補完した事例を紹介しつつ「不測の事態の発生も考慮しながら、地域の防災計画と一体となった道路計画を行うことが重要だ」と指摘した。
さらに「施工記録や関連図面などを可能な限り作成・保存し、供用期間中の維持管理に役立てていくべきだ」などと述べた。
この後、産学官の代表5人が、橋梁点検・補修を実施する上での課題と対応について話題提供したほか、話題提供者に鈴木基行東北大大学院教授を加えた6人によるパネルディスカッションも行われた。
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