火気を使わずにトランスを解体する |
ビルやプラントのトランス、コンデンサーなど変電設備を処分する際、搬出口が狭い場合や運搬に支障が出る場合は建物内部や現地での解体が必要になる。解体時は鋼材を切断しなければならないが、建物地下で解体する際は火や煙を出せないためガスバーナーは使えない。
同社は、石油プラントなどで培った火気を使わない技術を生かし、建物内部で安全に変電設備を解体する実績を重ねてきた。
解体には特殊な電動丸鋸・チップソーを使い、運び出せる大きさに設備機器を切断する。特に、絶縁油に有害な微量PCBが含まれる設備機器は、解体時に火気を使うとPCBが気化、拡散してしまう恐れがあるが、同社の技術を使えば、気化を最小限に抑えられる。
小板幹博取締役事業本部技術営業部部長は「火気を嫌う石油プラントの解体に精通するわれわれだからこそ生み出せた工法。ダイオキシン類のばく露防止養生と融合させると効果的だ」と、安全・安心な解体に自信をみせる。
油を除く全体重量5tのトランスの場合、設置場所や養生の制限にもよるが最短1週間で解体できるという。同サイズで解体費は50万-100万円となる。PCBを含む設備機器は、認定された処理用容器に梱包するところまでを手掛ける。
PCBを含む固定資産の除去費用を、資産除去債務として負債に計上させる会計基準が導入されており、PCBを含む設備機器を放置し続けることはオーナーにとって不利益となる。同社は、解体撤去の工法提案、見積もり、所管官庁への申請の支援など、解体に向けた手続きも手掛ける。今後、ニーズに応じて専門部隊の増強を視野に入れ、提案に力を入れる。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年1月15日3面
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