津波被害が甚大な沿岸自治体の多くは旅館などの宿泊施設も被災し、復旧・復興に携わる工事関係者やボランティア、さらには被災者の家族・親族すら日帰りを余儀なくされるケースが少なくない。こうした中、宮城県女川町にトレーラーハウスを活用した宿泊施設が誕生した。被災した町内の旅館事業者4者でつくる女川町宿泊村協同組合(佐々木里子理事長)が設置・運営するトレーラーハウス宿泊村「EL faro(エル ファロ)」だ。昨年12月27日にオープンした。
トレーラーハウスの内部 |
こうした課題をクリアするため、着目したのが居住性を重視して設計・製造されたトレーラーハウスだ。自治体の承認が必要だが、建築物ではなく車両のため、建築制限区域や農地などでも設置が可能。基礎工事の必要もなく、今後の復興の状況にあわせて移動することもできる。
同町清水町の町営住宅跡地にオープンした宿泊村は、寒冷地仕様の国産パークトレーラーハウスを第1期として24台設置。部屋は3人まで宿泊できるロフトなし(18.15㎡)36室と、4人までのロフト付き(23.25㎡)=写真=12室の計48室。最終的には全32台64室(うちロフト付き16室)とする計画だ。
「EL faro」とは、スペイン語で灯台を意味する。港町・女川復興の灯火に、という思いが込められている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年1月24日版 6面
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