基調講演で石井氏は、「どこでもLED(発光ダイオード)照明が使われるようになってきた」とした上で、「オフィスではタスク&アンビエント、家庭では大きな照明を部屋の真ん中に付けて明るくするのではなく、夜のあかりを楽しめる照明に変えていくように、ユーザーに働き掛けていく」ことが求められるとした。
基調講演に先だって、グランプリを受賞した「東京むさし農業協同組合本店」(公共施設・総合施設部門)、「渋谷ヒカリエShinQs」(商業・宿泊施設部門)、「押上・業平橋駅周辺地区公共施設(道路・交通広場・街区公園)」(まち、住宅、その他部門)に表彰状が授与された。
次いで基調講演に移り、石井氏は「円安になるとエネルギー価格がアップする。ことしこそ、いっそう省エネを進めなければならない」と前置きした後、日本は欧州に比べLEDが普及していることを披露。「日本は新しい施設にLEDが多く使われていることを実感した。欧州では家電量販店で売られているLEDは種類も少なく、消費者が購入してすぐ使うことが少ない。それより、小型HID(蛍光灯)を使うことが多い」と述べた。
続いて、日本のオフィス照明に言及、「改良する余地がある。部屋全体を1000ルクスにするのをやめ、タスク&アンビエントにすることで、照明に使うエネルギー消費量を50%から60%削減できる」とし、さらに住宅照明や道路照明のあり方にも触れた。道路照明に対しては「ぜひLED化し、より少ないエネルギーで安全・安心な道路にしてほしい」と訴えた。
パネルディスカッションでは、これからの省エネ・照明デザインに対する取り組みのキーワードとして、大谷氏は「省エネベースにキラリと良い照明」、石井氏は「省エネ、賢エネ、創エネ=日本の光を世界へ」、川上氏は「LEDとICT(情報通信)のコラボで省エネ化して、心地よいあかり環境を」、武内氏は「システム化で安全・安心・快適なあかりへ」を挙げた。
0 コメント :
コメントを投稿