2012/01/20

がれき処理、国が初の代行処理へ/福島県内4市町が環境省に要請

 東日本大震災のがれき処理を国が市町村に代わって行えるようにする「がれき処理特別措置法」に基づき、福島県の相馬市や南相馬市、新地町、広野町の4市町が、近く環境省に代行処理を要請することが分かった。要請は自治体ごとに行われるが、要請を国が認めれば、国による初の代行処理となる。
 自治体による要請後は、特措法で規定した自治体のがれき処理実施体制や処理への専門的知識と技術の必要性、広域的処理の重要性を勘案して、必要があると判断すれば、環境省が自治体に代わり自らがれきの収集・運搬、再生を含む処分を実施する。
 具体的には環境省が処理業務を事業者に発注。がれきの埋め立てや仮設の焼却炉を設置して焼却処分に当たる。
 202万7000tと推計される福島県内のがれきは、放射性物質に対する懸念から、仮置き場への搬入率も11日現在で61%にとどまっており、焼却も進んでいないのが現状だ。4自治体のがれき推計量は相馬市が21万7000t、南相馬市が64万t、新地が9万4000t、広野が2万5000t。このうち南相馬市の一部は、国直轄で処理をする「除染特別地域」に当たることから、この地域を除いて代行処理を要請することになる。

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