2012/01/30

国交省がまったく新しいJV制度を導入/除雪や災害応急復旧は地域建設業が担う



災害時、非常時に
地域建設業が果たす役割は、実はとても大きい
  最近、地方建設業者が急速に減少し、道路、河川の維持管理、除雪、災害時の応急対応までも困難になりつつある。これは建設投資の大幅減などで、多くの建設業者が倒産したり、重機を維持できなくなったことが原因だ。
 国土交通省では、これら地域で複数の建設業者による共同企業体(JV)を結成し、持続的に維持管理を任せる「地域維持型JV(地域JV)」の導入を始めた。

 27日に、国の直轄工事では初めて、地域JVを採用した工事発注が始まった。これは、中国地方整備局が一般競争入札で公告した「鳥取管内保守工事」。近く、九州地方整備局も地域JVでの参加が可能な工事の入札を公告するとみられ、今後、各地方整備局で発注が続く見込みだ。
 地域JVは、国交省が災害対応や除雪、インフラの維持管理など「地域維持事業」を複数年・複数工区一括で発注する際に、担い手となる地域建設企業が地域JVを組んで参加できる制度として創設した。12月にこの制度の活用を求める通知を全国の地方整備局に通知している。維持修繕工事と、パトロールなど工事以外の仕事も組み合わせられるのも特徴だ。

◇初案件の内容

 中国地方整備局が公告した初の地域JV対応工事は、参加申請を31日から2月14日まで、電子入札システムで受け付ける。あわせて地域JV資格申請の受け付けも行う。構成員は最大5社。3月12日に開札する。
 参加資格は、維持修繕工事の認定、維持修繕工事のうち、同一工事で舗装かつ道路構造物を施工した実績(地域JVで参加する者は、構成員のいずれかが同種工事の元請実績)。総合評価の最大加算点は64点。
 概要は、巡視・巡回工(道路巡回工)、舗装工(路面切削、クラック処理、パッチング等)、一般構造物補修工(トンネル補修、橋梁補修)、付属物復旧工(ガードレール復旧・補修、歩車道境界ブロック復旧、視線誘導標補修など)、道路清掃工(路面、排水施設、構造物の各清掃など)、除草工、冬季対策施設工、道路照明設備工(道路照明施設維持工、トンネル照明維持工、照明施設点検など)、応急処理工、除雪・凍結防止工各一式。
 工期は4月1日から2013年3月31日まで。試行案件ということもあり、複数年契約ではなく、単年度契約とした。
 地域範囲(工事場所)については、国道9号鳥取県岩美町蒲生~湯梨浜町ほか、29号八頭町堀越~鳥取市南隈、53号鳥取市河原町布袋~秋里。