2012/01/18

産廃の副生グリセリンを燃料化/前田道路が同志社大らと開発

前田道路の合材プラント
 前田道路は全国の合材工場で、食用廃油からバイオディーゼルを製造する際にできる副産物を重油の代替燃料として活用する。資源の有効活用とともに、アスファルト合材製造過程で発生するCO2排出量を削減する。既存のバイオディーゼル事業者を含め、新たなリサイクルシステムとして全国に普及する。セベック(本社・東京都千代田区、小豆嶋和洋社長)、同志社大学との共同研究で開発した。
 バイオディーゼル精製時に発生する副生グリセリンは、産業廃棄物として処分されることが多く、処分方法が課題となっていた。
 3者が共同研究で開発したカルシウム触媒により、アルカリ分を含まずリサイクルしやすいグリセリンができるようになった。グリセリンを燃料として使った場合でも、加熱炉の炉材腐食は起きない。
 前田道路は、副生グリセリンを購入し、アスファルト合材製造に必要な重油の代替燃料として活用する。宮城、香川、福岡にある工場での活用から全国に拡大する。カルシウム触媒は燃焼することでアスファルト混合物の材料となる炭酸カルシウムとなり、CO2削減とともに資源有効利用にも貢献する。
 バイオディーゼル燃料は植物油を原料に製造され、CO2排出量削減など環境にやさしい燃料として活用が広がっている。

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