清水建設は、千葉県茂原市・長生村の送水管工事現場で矩形断面の「パドル・シールド工法」を初適用した。丸型トンネルに比べ内空断面を有効活用でき、メンテナンスなどの作業もしやすいことから矩形の採用に至った。25日から掘削を開始し、本掘進では1日5mのスピードでトンネルを構築していく。
吊り込まれるマシン |
初適用となった現場は、ヨウ素などを製造する合同資源開発(東京都中央区)が発注した送水管の整備工事。茂原市と長生村の境界に位置する現場では、河川の下を横断する形で長さ70m、外寸2.1mの矩形トンネルを整備する。長さ2mのボックスカルバートを35個接続する計画だ。
地下の地盤は、N値50以上の硬い泥岩となっている。このため発進立坑の構築で矢板を圧入する際には、オーガーで先行削孔する硬質地盤クリア工法を採用した。14日に深さ約17mの発進立坑にマシンを搬入し、25日から掘削を開始する。初期掘進で1日2m、本掘進では5mのペースで矩形トンネルを構築していく。マシンは3月末に右岸側の立坑に到達する予定だ。
完成したトンネル内には送水管などを配置する計画で、矩形にしたことで十分な点検通路を確保できるほか、将来的な管の増設にも対応できるという。
清水建設は、同工法の大断面化への対応なども検討する方針。内空断面を有効活用できるメリットを生かし、既設埋設物が多い都市部の道路アンダーパスや地下道などの工事に提案していく考えだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月18日 3面
0 コメント :
コメントを投稿