2013/02/19

【技術】日本道路のアメニウレタン/中国地方でも採用


日本道路が、寒冷地の路面凍結抑制工法として展開している「アメニウレタン」の適用エリアが広がっている。これまで東北地方での採用実績が多かったが、2月に竣工した松江市発注の「中海大橋舗装改良工事」(元請け施工者=松江土建)に使われ、中国地方で初適用となった。

 降雪時のスリップ事故防止には従来、ロードヒーティングや塩化物の散布などが行われてきたが、維持管理費が高額になったり、手間が掛かるなどの課題があった。
 アメニウレタンは、舗装の空隙や凹凸に特殊なウレタン樹脂を充填した物理系凍結抑制舗装。車両の荷重でウレタン樹脂がたわむことにより、氷版を破壊する。そもそも表層をコーティングすることによって、着氷を防ぐ効果もある。全面ではなく碁盤の目状に塗布することで、コストを抑えながら、排水性も確保する。
 松江市の南北を結ぶ中海大橋は、勾配がきつい上、路面と散水設備の老朽化で融雪が進まず、冬季に車が立ち往生してしまうケースが目立っていた。今回実施した舗装改良工事では、耐久性と水密性が高く、橋面や重交通路線に適した「多機能砕石マスチック舗装」に、アメニウレタンを施し凍結抑制機能を付加した。施工範囲は約5000㎡。従来はグレー系の色合いが多かったが、ドライバーが雪が残っていると錯覚しないよう、黒色のアメニウレタンを塗布した。現地では早速、目に見える効果が表れているという。
 表面のウレタン樹脂は、経年とともにはがれてしまうが、高知県内の橋梁路面では施工後5年以上が経っても、充填した部分は残っていることが確認されている。今後、年数が経った個所の凍結抑制効果の評価や、ウレタン樹脂の再充填手法なども検討していく。

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