3月28日付で竹中工務店の代表取締役会長に就任予定の竹中統一社長、社長に就任する宮下正裕副社長、代表取締役副会長に就任する渡邊暉生副社長の3人は1月31日、東京都内で記者会見した。一問一答形式で全容を掲載する。
役員人事について
竹中社長 「建設事業を抜本的に立て直し、競争原理を生かした企業体質に生まれ変わるため、経営幹部の交代を決めた。変化の早い環境に迅速に対応できる新たな企業文化を構築するため、創業家にこだわらず、この難局を乗り切ることができるリーダーを選んだ。スピード感を持った経営を実行していきたい」
渡邊副社長 「副会長として、新会長と新社長を補佐していく。私は生産部門を統括してきたので、現場を力強いものにし、収益回復に向けて精一杯頑張りたい」
宮下副社長 「社長という重責を担うことになり、身の引き締まる思いだ。建設市場はピーク時から半減し、建設業の魅力が薄れてきていると認識している。厳しい状況だが、次の新たな100年の歴史を刻むことができるよう、まい進していく」
宮下氏を選んだ理由
竹中社長 「昨今、さまざまな物事の動きが早い。それらに対して即断して対処するには相当の経験、リーダーシップが不可欠だ。(宮下氏が)いずれ後継者になるということは、当然のこととして考えていた。渡邊は現場一筋で技術にも精通している。一方、宮下は都市開発分野で貢献してきた。わたしは事務系だ。そういった意味では非常にバランスのとれた形だと思う」
将来的なビジョン
竹中社長 「これから機構改革を含めた構造改革を進めていくが、堅実であることはいつの時代も重要だ。海外比率が17%で、約2割になりつつある。国内は苦戦した半面、海外は業績も非常に貢献している。将来はグローバルな展開を考えていきたい」
今後の方針、注力分野
宮下副社長 「何とかして国内建築事業を立て直していきたい。都市部では耐震やBCP(事業継続計画)のニーズが高まり、都市の更新が行われていく。環境・エネルギー関連では、スマートシティーというコンセプトも出てきている。ある意味で都市開発的なニーズが高まっている。微力ながら力を発揮したい。
設計施工について
宮下副社長 「設計施工は今後も大切にしていく。ただ、今はPFIや再開発の業務代行方式など、いろいろな事業の方式ができている。事業的なリスク管理もきちんとして取り組んでいきたい。
海外事業は
宮下副社長 「日系企業の進出もあり、東南アジアが活況を呈している。ベトナム、ミャンマーなどにもリサーチをかけていきたい」
現場に何が必要か
渡邊副社長 「建設現場では材料を減らすことはできないが、人数を減らすことはできる。それが技術そのものだ。まだまだ生産性を向上できる余地はある。建物を安く作るのが永遠の課題だが、一方で、労働者の収入を増やしていかねば若い人が入ってこない。建設産業として、われわれにとっても大きな課題だ」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月4日 3面
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