新潟市が秋葉区(旧新津市)に建設を進めている(仮称)新津総合体育館。脇を通る国道から、林立する鉄骨が目に飛び込んできたのが昨年、酷暑のころ。周辺の田園が白く様変わりしたいま、仮設足場のシート越しにうかがえる屋根形状はフラットで、“雪の新潟"のアリーナとしては珍しい。ことし7月の完成に向け作業が佳境を迎えている現場をのぞいた。
完成予想 |
◇複雑工程 コミュニケーションで克服
同施設は、秋葉区程島地内で2011年度に着工した。新津武道館に隣接するほか、周辺には秋葉区役所など公共施設が集積している。区民の生涯スポーツ活動や健康づくりのため、多様化するニーズに対応した利用しやすい施設を目指している。規模はS一部RC・SRC造2階建て延べ5979㎡。設計は久米設計。
アリーナは張弦梁構造で大空間を生み出した。最長36mのスパンで12本の梁を渡しており、バスケットボールコート3面分の広さとバレーボール公認の高さも確保しながら、同構造の採用により、最高高さを15.8mに抑えることができ、フラットな屋根も実現。周辺への圧迫感を軽減するとともに、狭い敷地内での落雪問題にも対応できる。
外壁にはポリカーボネートの半透明断熱パネルを採用するとともに、ガラスも多用。内部の多目的ルーム、トレーニングコーナーもガラスで「見える化」しており、建物2階の外周部をめぐる長さ約250mのランニングコースからは、屋外やアリーナでの競技だけでなく、屋内で行われているさまざまな活動も見ることができる。
工事は約60%(1月末現在)の進捗で、7月中旬完成の予定だ。喜藤所長は「現在は外装工事がメーン作業となっているが、ことしは雪が少なく大変助かっている。今後、仕上げ工事が進むと取り合い作業が増えるため、より一層連絡調整を密にし、最後まで安全第一で取り組みたい」と気を引き締める。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月27日
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