足場のすぐ隣が新幹線だ |
マンション管理会社は立地特性を踏まえ、安全最優先で改修できる施工者を探していた。建物本体は他社施工物件だが、鉄道関連工事の実績が豊富な東鉄工業に相談が持ち込まれ、特命受注に至った。
6階建ての建物と新幹線の高架橋が最も近接する部分の距離は、わずか2.5m。施工に当たっては、東海旅客鉄道(JR東海)との事前協議が必要だった。
日ごろから鉄道事業者とのやり取りにも慣れている東鉄工業では、通常より短い期間で協議を完了。当初、新幹線との近接部は夜間施工を予定していたが、昼間の作業が認められ、施工効率は格段によくなった。作業所の藤森祐五所長は、「住民や近隣の方々の負担を減らすことにつながる」と別のメリットも口にする。
現場では、足場の組み立てや下地の調査が進行中。過去の事例や写真を交え、注意すべきポイントを明確にした『要注カード』などを活用しながら、「足場を組む際に、パイプが高圧線に触れるリスクなどを示し、作業員の安全意識を高めている」(藤森所長)という。
鉄道近接案件では、安全対策を重要視する施主は多く、同社建築環境リニューアル部によると、「線路近くのマンション改修工事の引き合いは、ほかにも複数きている」(木村尚弘担当課長)と話す。列車の安定運行を守るという思いも込め、今後も実績に裏付けされた強みを生かし、受注活動を展開していく方針だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月5日 3面
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