広島市と西日本旅客鉄道(JR西日本)は4日、JR可部線の電化延伸を発表した。2003年の同線可部~三段峡の駅間廃止以降、復活を検討してきた可部~荒下県営住宅跡地約1.6㎞が電化で事業化する。JRの路線が復活するのは全国初のケースという。13年度の着工、15年春の開業を目指している。
JR可部線は、1969年に横川(広島市)~三段峡(旧広島県戸河内町)で開業した。広島市の北部方面への公共交通の軸として、地域住民の移動手段の確保のみならず、安全で沿線住民の交流など多様な役割を担ってきた。しかし、利用者減などから、03年12月に可部~三段峡長さ46.2㎞が廃止された。
その後、期成同盟会が主体となって、電化延伸等連絡会を計53回にわたって開催し、電化延伸の早期実現と利用促進に向けた活動を展開するとともに、JR西日本、関係バス事業者、広島市などで構成するJR可部線活性化協議会で議論を重ね、JRと市との間で事業実施が合意された。
電化延伸区間は、可部駅から荒下県営住宅跡地までの約1.6㎞(単線)。敷地は廃線敷を活用する。新駅は、中間駅(単式1面、4両対応、長さ85m)と終点駅(頭端式1面、4両対応、長さ85m)を設置する。ともに無人駅とする。可部駅については、延伸に伴い下りホームを増設し、相対式ホームに改良する。踏切は国道54号と可部バイパス(BP)の間に1カ所、同BP以西に2カ所(うち1カ所は近接する都市計画道路が整備され、鉄道と立体交差化が図られるまでの暫定踏切)。
概算事業費は約27億円。国が3分の1、残りを市が負担する。
4日は、広島市の松井一實市長とJR西日本広島支社の杉木孝行支社長が市役所で会見し、事業化の最終合意に関する覚書を締結したことを報告した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月6日 10面
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