2013/02/20

【注水電池】水を入れるだけで光る! マグネシウム発電「アクモキャンドル」

建設資材の製造・販売を手掛けるTSC(埼玉県川口市、鈴木進社長)は、マグネシウム電池事業に特化した別会社「アクモホールディングス」を設立、注水するとマグネシウム電池が発電しLED(発光ダイオード)が点灯する簡易照明器「アクモキャンドル」の海外での製造・販売に向けて準備を進めている。発展途上国の未電化地域では依然として「ろうそく」が使われている現状があり、簡易な操作性と長時間にわたり灯し続ける特性を生かし、新たな光源として普及させたい考えだ。
 マグネシウム発電は、マグネシウム、炭素、水を主原料に発電するクリーンな次世代エネルギーとして注目を集めている。「アクモキャンドル」は、ライターサイズのケース内にマグネシウム電池が装着されており、注水すると15日間程度発光する。安価で製造できるため、発展途上国の貧困層でも購入しやすい価格で供給できる。1月31日付で特許を取得している。
 BOP(開発途上地域の低所得者層)の生活改善に貢献できることが評価され、日本貿易振興機構(JETRO)の2011年度BOPビジネス・パートナーシップ構築支援事業や、国際協力機構(JICA)の中小企業連携促進調査(F/S支援)にも採択されている。
 現在、官民連携事業としてインドでの製造・販売に向けて準備を進めている。現地の企業と合弁会社を設立し、農村部の比較的所得の低い層をメーン・ターゲットに商品を供給する方針だ。
 鈴木社長は「夜間に勉強できない子どもや手内職に携わる女性のために商品を供給したい。電池は銅、マグネシウム、炭素などのシートを重ねるだけで簡易に製造できる。現地生産を始めれば途上国の雇用にも貢献できる」と意気込む。
 アクモホールディングス 埼玉県川口市本町4-3-6本町ハイツ213号室。電話048-229-0915。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月20日 5面

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