NTTファシリティーズは、農業に建物管理やエネルギーサービス技術で培ったIT(情報技術)を応用して震災復興などの新産業創出を目指す取り組みを進めている。同社は昨年から、明治大学や岩手県大槌町で発足した一般社団法人の「おらが大槌夢広場」、種苗会社などと「農業とIT融合による新産業創出研究会」を立ち上げ活動を展開している。
同研究会は、東日本大震災以降の農業分野の復興に向け、蓄積したITを導入した生産性向上や植物工場などを研究し、大槌町では共同実証プロジェクトにも取り組んでいる。
具体的にはセンサーネットワーク、完全人工光型植物工場、太陽光利用型植物工場、卸売市場の物流ネットワークをITで組み合わせて、生産側の栽培情報と農作物の受発注をリンクさせる。消費と栽培をつなげば、生産物の品質向上や栽培管理の効率化が期待できる。
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大槌町でこうしたシステムの実証・検証を行い、最終的に生産から流通、加工、販売まで含めたシステム構築につなげていく。
NTTファシリティーズは、池田敬明大農学部准教授と検討を重ねてきたこれらの取り組みを周知・加速するため、1月24日に同社が事務局を務める同研究会主催の農業ビジネスセミナーも東京都内で開いた。
「新たな日本の農業を考える」と題したセミナーでは、農林水産省の武本俊彦農林水産政策研究所長が、現在の日本の農業が抱える問題点と解決策について基調講演したほか、植物工場に関する池田准教授の特別講演やNTTファシリティーズの取り組みなどが紹介された。セミナーには200人を超える参加者が集まり、高い関心を示した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月7日 6面
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