カネカ(大阪市)は、世界最高水準となる約5万時間の寿命を実現する有機EL照明デバイスの開発に成功した。一般的なLED(発光ダイオード)照明の推定寿命は約4万時間だが、劣化のメカニズムを精査し、デバイス構造や製膜条件を最適化することにより、長寿命化を実現した。
開発では、白色を構成する数種類の異なる波長の発光層の劣化挙動に着目し、デバイスの材料や積層構成に加え、厚みなどの製膜条件を最適化することにより、各発光層の経時劣化(劣化速度)を大幅に改善したという。この結果、長寿命化とともに、有機EL照明の課題でもある長時間点灯時の色変化量も従来品の40%以内に抑えた。
照明用の光源デバイス市場は成長が見込まれており、世界市場では2020年に約5兆円に達するとの試算もある。その中で有機EL照明は次世代の光源として幅広い活用が期待されている。1mm以下まで薄型化でき、天井や壁などの限られた場所にも設置が可能であるほか、多彩な発光材料固有の光を得られることからデザイン性も高い。そのままで面光源であるため、拡散板などの光学部品も必要としないメリットもある。
新開発の有機EL照明デバイスは、美術館、博物館、レストラン、ホテルに加え、病室用照明や高級住宅用のデザイン照明として売り込みをかける。同社は複数の顧客にサンプルを提供中。国内だけでなく、欧米市場にも積極的に販売する方針だ。20年には売り上げ規模で500億円を見込む。
同社は、有機EL照明デバイスを製造している完全子会社のOLED青森(青森県六ヶ所村)に、有機材料の真空蒸着工程の新たな面蒸着技術を取り入れた量産実証設備を稼働させており、今回開発したデバイスを含めた量産供給体制を確立している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
開発では、白色を構成する数種類の異なる波長の発光層の劣化挙動に着目し、デバイスの材料や積層構成に加え、厚みなどの製膜条件を最適化することにより、各発光層の経時劣化(劣化速度)を大幅に改善したという。この結果、長寿命化とともに、有機EL照明の課題でもある長時間点灯時の色変化量も従来品の40%以内に抑えた。
照明用の光源デバイス市場は成長が見込まれており、世界市場では2020年に約5兆円に達するとの試算もある。その中で有機EL照明は次世代の光源として幅広い活用が期待されている。1mm以下まで薄型化でき、天井や壁などの限られた場所にも設置が可能であるほか、多彩な発光材料固有の光を得られることからデザイン性も高い。そのままで面光源であるため、拡散板などの光学部品も必要としないメリットもある。
新開発の有機EL照明デバイスは、美術館、博物館、レストラン、ホテルに加え、病室用照明や高級住宅用のデザイン照明として売り込みをかける。同社は複数の顧客にサンプルを提供中。国内だけでなく、欧米市場にも積極的に販売する方針だ。20年には売り上げ規模で500億円を見込む。
同社は、有機EL照明デバイスを製造している完全子会社のOLED青森(青森県六ヶ所村)に、有機材料の真空蒸着工程の新たな面蒸着技術を取り入れた量産実証設備を稼働させており、今回開発したデバイスを含めた量産供給体制を確立している。
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