2014/10/22

【JIA東北建築学生賞】原発事故と向き合う「FUKUSHIMAと成る」 最優秀は水上さんら

日本建築家協会東北支部(JIA東北、辺見美津男支部長)の第18回JIA東北建築学生賞の公開審査が17日、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで行われた。提出があった13校38作品の中から水上剛さんと鶴田祥吾さん、鵜沼祥さん(国際情報工科大学校)の『FUKUSHIMAと成る』が最優秀賞に選ばれた=写真。

 審査は、近谷宅美氏(JIA岩手、近谷宅美・建築計画工房)ら6県地域会メンバーらでつくる審査委員会が担当。制作者によるプレゼンテーションを踏まえて、投票で入選作品を決めた。

辺見支部長(左)と最優秀の3人
最優秀の『FUKUSHIMAと成る』は、福島第一・第二原発と廃炉作業の最前線基地であるJビレッジを一望できつつ、立ち入り可能な広野町五社山を計画地に設定。原発事故と数世代にわたり向き合う「原発を展望する学習施設」をコンセプトに、展望棟と中央棟、地中棟の3棟が生み出す動線が、原発問題を体感し、見つめ直す場所となる世界の環境的シンボルとなる建物を提示した。

 最優秀賞以外の入選作品は、次のとおり(敬称略)。
 〈優秀賞〉帯の寄り添い=中川涼(東北大)▽街のいえ-分節感と一体性=築山茉由子(日大)。
 〈みやぎ建設総合センター賞〉Glowing~高田松原の再生=金野如洋(東北文化学園専門学校)。
 〈東北専門新聞連盟賞〉住宅街の劇場空間=高梨真弘(日大)▽Dan-Dan野菜でつながるまちのかたち=笠原胡桃、武山加奈、渡邉佳央里(東北芸工大)。
 〈河北賞〉BREAK OUT=佐藤未和(東北工大)。
 〈特別賞〉駅前文化の再生計画~繋がる文化と都市空間=大谷彩貴(東北文化学園大)▽古川の復興住宅計画~ふれあい・げんき・なごみの場へ=佐藤淳(東北文化学園専門学校)▽まちなか河川の再考 梅田川かわのえき=遠藤茜(東北文化学園大)。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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