2014/06/22

【3次元計測】小型軽量化したスキャナ、カメラ搭載して大空舞う時代へ

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3次元計測フォーラム「SPAR 2014J」が4、5日の2日間、川崎市産業振興会館で、スパーポイントリサーチ(河村幸二代表)の主催で開かれた。毎年開催され10回目を数える今回は、新たにUAV(無人飛行体)の展示コーナーや特別セッションが設けられた。背景には、UAVの実用化に社会の注目が集まっていることに加え、3次元計測装置の小型化・軽量化が進んでいることが挙げられる。写真はニコン・トリンブルの無人機航空写真測量システム「Trimble UX5」。

 河村代表によると、3次元レーザースキャナーの世界の市場は、2017年に約2300億円に達する見込み。これは、小型機の登場による影響が大きいという。今フォーラムでは、既にスキャナーのハードだけではなく、点群データを取得した後の活用段階のソフトの出展が目立った。
 一方、一般消費者向けの小型カメラの高解像度化に伴い、写真計測技術の効果が見直されている。これを象徴して、今回は、新たに写真計測学会(近津博文会長)との共同開催も実現した。近津会長(東京電機大)は、「デジタルカメラで精密な写真測量が可能でありUAVとの併用で実用化がさらに進む」とみる。
 UAVそのものの可能性について、ミニサーベイヤーコンソーシアムの野波健蔵会長は「自律ロボット技術の進化に伴い有用性が明らかになっていく」と指摘する。フォーラムの特別セッションでは、福島県上空で放射線量を計測した事例や、バッテリー自動交換装置などの研究開発状況を紹介した。
 UAVという名称で一般的に紹介されているのは回転翼型。フォーラムでも無人ヘリの出展が目立つ中、ニコン・トリンブルの無人機航空写真測量システム「Trimble UX5」が異彩を放った。固定翼の飛行機に、ミラーレス一眼レフカメラを搭載し、タブレット端末上で管理するフライトプランを基に、オートパイロットで写真計測する。

ファローの3次元スキャナーを搭載したUAV
一方、3次元スキャナー軽量化の先駆けであるファロー・ジャパンは、最新シリーズで5.2㎞という軽量を生かして、UAVに搭載して点群データを取得する新コンセプト「スキャン・コプター」を発表した。

熱気につつまれた会場
4月に米国で開かれた「SPAR International」でもUAVの出展が「花盛りだった」(河村代表)という。デジカメも3次元スキャナーも、ともに空へ舞い上がり、インフラメンテナンスやIM(インフォメーション・モデリング)における国際的な潮流になる時代が目前に迫っている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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