「立体道路制度」の採用で建設が実現した |
【執筆者から:今まで六本木ヒルズなど多数のビッグプロジェクトに携わってきた大森氏。「1人で考えるより、多くの方とディスカッションしながら練り上げていくのがこの仕事の醍醐味」と語っていた姿が印象的でした】
◆モチーフは白と黒
3層吹き抜けのアトリウム |
車寄せ部分に飾られた油絵 |
検討の過程では、「設計変更をして迷惑をかけたこともあった」と振り返る。その一つは、地上247mの建物の最上部。当初は機械設備スペースだったが、「せっかくの屋上をより有効活用できないか」との発想から、オープンエアのテラスを設けた。最上階の52階にルーフトップバー、テラス、チャペル、スタジオを整備した。
◆2児の母の目線で
大森みどり氏(森ビル都市開発本部計画統括部施設計画部部長) |
その第2子も小学校6年生に成長。「(わたしのように)子育てを経験した人だけでなく、さまざまな立場の人が知恵を出し合うからこそ、よいものができるのだと思う」と、数々のプロジェクトを振り返る。
◆ヒルズの個性引出す
赤坂・六本木・虎ノ門・新橋エリアは、国際新都心として高いポテンシャルを有する。森ビルの辻慎吾社長は虎ノ門ヒルズ竣工に際して会見し、「周辺のナンバービルの再再開発(虎ノ門一丁目地区、虎ノ門・愛宕地区)を始め、六本木五丁目西地区、虎ノ門・麻布台地区など、今後10年間で10件程度(全体の区域面積の合計で約22ha、延べ床面積約220万㎡、グローバルレベルの新規住宅約3000戸を供給)の大規模プロジェクトを推進する」と明言した。
大森部長も「(虎ノ門エリアは)まだ“色”がついていないエリアだからこそ、チャレンジしたい。新しい東京の眺めをつくることができれば」と思いを込める。今後も、「それぞれのヒルズの個性を引き出す」をモットーに、こうした新たな開発の商品計画に全力を注ぐ。
◆建築概要
▽事業名称=環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業III街区
▽事業施行者=東京都
▽特定建築者=森ビル
▽規模=S一部SRC・RC造地下5階地上52階建て塔屋1層延べ24万4360㎡
▽建物高さ=地上247m
▽用途=事務所、住宅、ホテル、店舗、カンファレンス、駐車場
▽敷地面積=1万7069㎡
▽建築面積=9391㎡
▽設計=日本設計
▽施工=大林組
▽建設地=東京都港区虎ノ門1-23-1~4
▽着工=11年4月1日
▽竣工=14年5月29日
▽開業=14年6月11日
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