直感的インターフェースの採用に踏み切る |
市場投入したのは15製品。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及を背景に建築分野のアプリケーション数は拡充され、近年はCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の流れを受け、土木向けも充実してきた。
設備系コンテンツは700個を追加 |
構造系機能ではこれまで壁をパーツ化した場合、壁全体を対象に配筋が表示されてしまう状況であったが、最新版ではパーツ化した壁のうち、構造マテリアル要素に対して配筋がなされるよう改善された。ユニオンシステムの一貫構造計算ソフト『SS3』とのデータ連携も強化された。
3次元モデルデータ導入の範囲が建築から都市、さらには地域に広がる中で、ユーザーに対する土木インフラ系アプリケーションの使い方を区分けして提案することにした。国土交通省のCIM試行プロジェクトが拡大する追い風もあり、ユーザーには計画段階に『InfraWorks』、設計段階に『Civil 3D』を提案。最新版では指で触って動かせる直感的インターフェースの採用にも踏み切った。
そもそもデスクトップ製品ではあるが、将来的にタブレットでも動かせることをイメージした戦略的な仕掛けに他ならない。関連ソフトをパッケージ化した『Suite』シリーズを打ち出すなど、これまで同社は使われ方を意識した販売戦略を重要視してきた。「多様なユーザーの要望をどこまで集約できるか。実はそこが難しくなっている」と、近藤氏は打ち明ける。
背景にはBIMやCIMの普及に伴い、「根っこの部分(活用目的)がユーザーの中で大きく異なり始めている」状況がある。ひたすら進み続けるパワーユーザーとともに、BIMやCIMの初心者も多数存在する。導入事例の拡大は業務の多様化を生み、それによってユーザーの求める範囲も内容も複雑化している。
一歩先を見越し、アプリケーションのあり方を大きく方向転換することは「ユーザーを次のステージに導く意味で重要だが、余りにもかけ離れた最新のアプリケーションを出してしまうと混乱を招きかねない」。どこに目線を置くか。そこにBIMベンダーの色が出てくることは言うまでもない。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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