日本建築家協会(JIA)近畿支部兵庫地域会(長尾健地域会長)は、小・中学生を対象にした出前講座事業を積極展開している。13日には神戸市兵庫区の市立明親小学校で、21日には同市東灘区の私立灘中学校で段ボール製9立方cmの立方体(T-CUBE)を用いたまちづくりの実習を行った。受け入れる学校側は、広い視野や集団で考えることの習得、職業理解を深める一助となることなどを求めており、子どもたちからも好評のようだ。写真は明親小学校での様子。
この事業は、建築に対する親しみを持ってもらうと同時に、他者と協力してコミュニティーを形成することの難しさを教えるために、2010年度から開催している同協会の看板事業のひとつ。T-CUBEを1.8m3の個人空間に見立てて構築。5-6人1組で協力して90×43cmの敷地にそれぞれのT-CUBEと共用のT-CUBEを配置し、一つの村を形成する。
中心となって携わっている八木康行前地域会長は「まちができていくプロセスや社会と個人がどうかかわっているのか体験してほしい。これは建築の原点であり、少しでも建築に興味を持ってもらえたらうれしい」と話す。
13日の明親小学校では、6年生4クラス127人を対象に開いた。協会所属の建築士ら24人が講師として参加した。参加児童は敷地内の池に橋を架けたりして、自分たちの村づくりを楽しんだ。
灘中学校での様子 |
長尾地域会長は「明親小ではパーソナル空間だけでなく、外部とのつながりもよく考えてくれた。グループでよく話し合い、協調してできていた。灘中では、窓ひとつ開けるにしてもしっかりした理論があり、勉強させられる部分が多かった。建築は答えがひとつではないということがわかってもらえたと思う」と感想を述べた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
0 コメント :
コメントを投稿