日本建築学会は10日、東京都港区の建築会館ホールで進めている天井耐震対策工事を報道陣に公開した。天井下地と建物鉄骨を一体化させた「ぶどう棚鉄骨直張り形式」と石膏ボードに代わる新素材として「軽量不燃発泡複合板」の採用により、「人命保護を第一義とし、その上で機能維持を図る」という基本コンセプトを実現した。また、デザインも既存意匠を継承しながら、LED(発光ダイオード)化した照明ボックスのデザインを一新した=写真。
人命保護対策では、1㎡当たり1.08㎞と石膏ボードの約8分の1の新素材「軽量不燃発泡複合板」を採用し、天井を軽量化した。さらに、スチールテープでつり上げることで、より確実な落下防止を図っている。軽量不燃発泡複合板は芯材のイソシアヌレートフォームをアルミ箔で一体加工したもので、国内で採用したのは今回が初めて。軽量であるほか、不燃、断熱、防湿などの性能にも優れているという。リブ付岩綿吸音板を合わせた1㎡当たりの重量は、改修前の石膏ボードとの組み合わせの12.7㎞に対し、軽量不燃発泡複合板との組み合わせでは5.8㎞となった。また、天井下地材を構造材としてつくるぶどう棚鉄骨直張り形式とし、ぶどう棚に天井と設備を構造に直接固定することで構造躯体と天井、設備を一体化させ、高い耐震信頼性(床面3・1ガルの揺れでも機能維持)を実現した。
改修面積は約280㎡。設計を秋元和雄設計事務所と構造計画プラス・ワン、天井耐震化技術支援と施工を清水建設が担当。川口健一東大教授が監修を務めている。工期は7月13日から9月15日まで。
同学会では、東日本大震災の対応の一環として、非構造材の安全性評価および落下事故防止に関する特別調査委員会を設置し、「天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライン」を策定。今回の工事は、同ガイドラインを踏まえながら、会館ホールの天井耐震改修を優先順位最上位工事に位置付け、国交省の告示771号(「特定天井及び特定 天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件」)との整合も図りながら、検討、施工してきた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
人命保護対策では、1㎡当たり1.08㎞と石膏ボードの約8分の1の新素材「軽量不燃発泡複合板」を採用し、天井を軽量化した。さらに、スチールテープでつり上げることで、より確実な落下防止を図っている。軽量不燃発泡複合板は芯材のイソシアヌレートフォームをアルミ箔で一体加工したもので、国内で採用したのは今回が初めて。軽量であるほか、不燃、断熱、防湿などの性能にも優れているという。リブ付岩綿吸音板を合わせた1㎡当たりの重量は、改修前の石膏ボードとの組み合わせの12.7㎞に対し、軽量不燃発泡複合板との組み合わせでは5.8㎞となった。また、天井下地材を構造材としてつくるぶどう棚鉄骨直張り形式とし、ぶどう棚に天井と設備を構造に直接固定することで構造躯体と天井、設備を一体化させ、高い耐震信頼性(床面3・1ガルの揺れでも機能維持)を実現した。
改修面積は約280㎡。設計を秋元和雄設計事務所と構造計画プラス・ワン、天井耐震化技術支援と施工を清水建設が担当。川口健一東大教授が監修を務めている。工期は7月13日から9月15日まで。
同学会では、東日本大震災の対応の一環として、非構造材の安全性評価および落下事故防止に関する特別調査委員会を設置し、「天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライン」を策定。今回の工事は、同ガイドラインを踏まえながら、会館ホールの天井耐震改修を優先順位最上位工事に位置付け、国交省の告示771号(「特定天井及び特定 天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件」)との整合も図りながら、検討、施工してきた。
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