2011/07/20

最優秀に東京理科大グループ/「膜・空間デザインコンペ」

 日本膜構造協会(石井一夫会長)が主催する「膜・空間デザインコンペ」の最終審査が終わった。今回のコンペ最優秀は、東京理科大大学院修士2年の8人がデザインした「under ground festival」に決まった。この作品は、地下鉄空間と膜空間の共存を構想したもので、膜構造が地下鉄の通過風圧にも耐えられるかどうかの実測実験まで行ったという。「笑える。ユーモアがあり楽しい」(平田晃久氏)、「都会だけのプロジェクトだが、見たことのないレベル」(乾久美子氏)といった評価を受けた。
 このコンペは、学生の若い発想と知恵で、膜空間の可能性を提示してもらおうと開かれている。最優秀賞には副賞50万円、優秀賞には10万円が贈られる。審査委員は、小嶋一浩シーラカンスアンドアソシエイツ代表が委員長、委員には乾久美子氏、佐藤淳氏、平田晃久氏、トムヘイガン氏と気鋭の建築家がそろっている。
 今回の応募件数は113点で、一次選考に残った10作品から最終公開審査を行った。優秀賞には「膜のアルゴリズム」(九州大学3年の2人)、「傘ぶくろ」(武蔵工業大学4年の9人)が決まった。
 小嶋審査委員長は「プレゼンが全部違う質を持ち、こんな楽しいコンペはなかった。膜の持つ意外性、特異性、環境性を考えた、自由な提案に目を見張った」と感想を話す。受賞の10作品は日本膜構造協会会議室に展示し、希望大学には巡回展示もする。

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