中国でも工事中のビルが増加中 |
A 海外進出の話題が東日本大震災以降、あまり聞かれないが、設計、建設コンサルタントの動きは。
B 建築設計事務所は、中国を中心に順調に受注を増やしている。都市計画にしても、建築単体にしても、環境にかかわる技術力にすぐれた日本の設計事務所は重宝されているようだ。中国といえば、広い地域の開発が一気に進むイメージがあったけど、最近は市民の権利意識が芽生えて、昔よりスムーズに開発ができないらしい。そこで、まちづくりのノウハウを持つ日本の設計事務所にオファーが来るケースも増えているようだよ。現地法人をつくる事務所が増えていることも、中国市場への期待感のあらわれだね。
C 日本コンサルティング・エンジニヤ協会が12日に海外プロジェクトの契約関係でセミナーを開いた際、廣瀬典昭会長が冒頭のあいさつで「こんな時期にこんな催しをしてもだれも来ないのではないかと心配だった」そうだが、実際には「いままでで一番多いのではないか」と驚いていた。予定を超える約130人が参加したので、別の部屋を用意してテレビ中継したほど盛況だった。
A 高速道路会社も積極的だよね。
D 一昔前までは考えにくかったけど、公共発注者が海外のインフラビジネスに乗り出すのも、現在の特徴的な動きだと思う。今秋には東日本など高速道路5社が共同で海外新会社を設立する見通しだ。
A ゼネコン、設備会社はどうかな。
E 海外への視線が強くなっているのはゼネコンも同じ。これまでは大手クラスの海外進出が目立っていたが、このごろは準大手クラスの動きも活発になっているように感じる。2011年度の受注業績でも前年度を大きく上回るゼネコンが数多くあった。
■ゼネコン受注 東南アジアで好調持続
F 10年度に連結受注で600億円を超えた三井住友建設が、中期経営計画で掲げた500億円の目標を初年度でクリアしたように、海外を事業の柱に位置付ける社も少なくない。例えば海外で900億円を受注した五洋建設は、国内土木、国内建築、海外の3本柱がほぼ同額となった。
E 最近の動きでは、戸田建設がフィリピンの現地法人を7月末に設立すると発表したほか、日本国土開発は6月1日付で建築と土木それぞれに海外部門を置いた。4月には準大手を中心に受注プロジェクトを後方支援する組織や子会社を設立するケースもみられたね。
F 受注では、特に東南アジアでの業績が顕著に推移している。安藤建設は今期すでに100億円規模を確保しており、清水建設のようにシンガポールで商業施設83億円と病院112億円を相次ぎ受注した動きもあった。
G 設備会社は、表だって大きな案件を受注したという話しは聞こえてこないが、依然、市場拡大へ企業の買収やアライアンスが絶えない。ダイキン工業がトルコの空調機メーカーを買収した。トルコを中心に、中東、アフリカ、旧ソ連の独立国家共同体(CIS)で事業を強化するという。
A トルコの市場はどうなの。
G トルコの空調市場は現在9億ユーロ、日本円で約1000億円だが、15年には17億ユーロ、約2000億円の市場に拡大するという。特に住宅用空調機は、現在ノンインバーター機が主流だが、政府の環境規制の追い風もあり、今後、省エネに優れたインバーター機に移行するとみられている。
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