2011/07/21

計画停電時にエレベーターを遠隔休止/日立ビルシステムが閉じこめ防止で新案

 もし計画停電の開始時にエレベーターに乗っていたら?東日本大震災では、地震の影響で首都圏の多くのエレベーターが自動停止し、メンテナンス会社の人たちは徹夜で復旧に回っていた。これから本格化する計画停電への懸念に対し、日立ビルシステムが「エレベーター遠隔休止サービス」の提供を始めた。
 これは、計画停電で止まってしまうエレベーターに閉じこめられることがないよう、停電開始の10分前にエレベーターを遠隔操作で休止するものだ。エレベーターリモートメンテナンスシステムの運転状況監視・制御機能を使って、電力会社が計画停電の実施を発表したら、同社の管制センターから遠隔でエレベーターに休止スケジュール制御指令を伝送する。復電時には、計画停電終了予定時間前でもエレベーターの休止を自動解除し、平常運転に復帰する。
 2003年以降に納入した日立製作所の標準型乗用エレベーター「アーバンエース」、07年以降にリニューアルしたエレベーターで日立ビルシステムが提供するリモートメンテナンスシステム「スーパーヘリオスメンテナンス」を契約しているユーザーのうち、事前にサービスの導入を了承しているユーザーに無償で提供するということだ。
 最も確実な閉じ込め防止策は計画停電の開始前にエレベーターを休止することだが、専任の設備管理者が不在のビルでは難しいと指摘されていたが、このサービスは利用者にもメンテ会社にも朗報になりそうだ。

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