2011/07/04

都心に東京ドーム面積相当の“発電所”が出現

 森ビルが、東京都港区の六本木ヒルズ地下で稼働中のコジェネシステムを公開した=写真。発電施設の全面積は約1万㎡で、東京ドームのグラウンド部分に相当する大きさだ。節電の夏を迎え、六本木ヒルズで活用している都市型発電所の重要性をアピールした。
 六本木ヒルズでは、一般のオフィスビルで使われるような非常用電源設備ではなく、独自のエネルギープラントを設けて地区内の電力約3万8000㌔ワットを発電している。またガスタービン発電時に出る排熱を熱供給施設に送り冷暖房にも利用する。
 システムの核といえる蒸気噴射型ガスタービンの製造はIHI、システム構築は新日鉄エンジニアリングが担当、運営管理を行っている六本木エネルギーサービスによると、燃料となる都市ガスの供給は東日本大震災時でも影響を受けておらず、自発的な節電で余剰電力が確保された。震災後の3月18日から4月末までに1000世帯分に相当する3000-4000㌔ワットを東京電力に提供したという。節電が本格化した7月1日からは、昼間5000㌔ワット、夜間4000㌔ワットの送電も行っている。
 このシステムは、機器費用だけで約100億円するが、IT企業や外資系企業、自治体などの信頼につながり高評価を得ている。森ビルでは「今後はガスを活用した同様のシステムを再開発施設などに積極的に導入していく」考えだ。

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