2011/07/25

建機の盗難件数が減少/作業ヤードの一斉摘発が奏功?



値段も高い建機はねらわれやすい(写真と本文は関係ありません)

 ことしは国内の建機盗難が大幅に減っているという。昨年、警察が全国一斉に盗んだ建機や自動車を偽装改造する作業場ヤードを摘発してつぶしたことが原因と見られている。2010年度の建機盗難件数は420件で前年度比31・5%減、ピークだった01年度の1511件と比べ4分の1近くまで減少した。
 盗難建機が国内には出回らず、中国など東南アジアに偽装輸出されている。そのためには、税関で盗難建機であることを見破られないように改造を行うが、そのヤードが摘発によって大幅に減ったため、盗難件数の減少につながった。
 盗難件数のワースト地域は、埼玉、群馬、栃木、茨城の北関東が多い。この理由について日本建設機械工業会は、「人目につきにくい場所にヤードを確保しやすいからではないか」と分析している。ヤードは周囲から中が見えないように囲い、内側では産業廃棄物処理などをしているかのように装っているという。
 輸出に便利な神戸港がある兵庫県も、山側に行けばヤードに適した場所があり、関西地区で盗難建機の拠点の役割を果たしていたようだ。これを証明するように、昨年の一斉摘発後、関西で盗難件数が激減した。
 毎年、年末年始とお盆の時期は盗難が増える傾向にある。工事が休止になり、建機を現場に放置しておく期間が長く、盗まれたことに気づくまで時間が掛かるからだ。建機工は、東日本大震災のがれき処理現場でも盗難には十分注意するよう促している。
 震災地域は、レンタルや他の地域からの搬入機械が多く、所有者が分かりにくい上、作業終了後は囲いの中に保管しにくいという事情もあり、盗難の被害に遭いやすい。東北地区の盗難件数は、いまのところそれほど多くないが注意することにこしたことはない。
 建機工では、盗難が減少しているもう一つの要因として、「中国で中古の需要が落ちている」と話す。

Related Posts:

  • 【挑戦!i-Construction】独立サイトで好評連載中! 測器、重機、CADベンダー、レンタル、施工各社が全般知識取得にチャレンジ  日刊建設通信新聞社では、「挑戦!i-Construction 初心者でもできるか情報化施工」と題した連載企画を専用サイトにまとめています。『建設通信新聞』の紙面でも、毎週1回掲載しております。 挑戦!i-Construction http://kensetsunewsicon.blogspot.jp/  この企画は、情報化施工に携わる測量機器メーカー、GNSS(衛星測位システム)補正情報配信サービス会社、ICT(情報通信技術… Read More
  • 【潜入ルポ】日本ダムアワード2015 ダムマニアの選ぶ“今年、活躍したダム”は!?  今年も潜入しました「日本ダムアワード2015」! ダムカレーに食欲を刺激されずに取材に集中できるよう、お昼ご飯をカレーにして臨みました。  すでに迷わずたどり着けるようになった会場、東京カルチャーカルチャー。グッズコーナーをチェックししつつ、会場にはいると既に満席で熱気にあふれています。昨年は実物を見ることができなかった「ダムカレー」と「ダムサワー」を発見! コンクリートの色を忠実に再現したサワー、さすがですね。メニューはこの通り。矢木… Read More
  • 【ブログコラム】カルガモさん親子を訪ねて 清水建設・技術研究所のビオトープ びるるん!6月2日、Twitterで清水建設(シミズ・なう @Shimizu_now)さんの技術研究所でカルガモのヒナ4羽が孵化したという一報を受け、同じ「かわいいもの」としてこの目で確かめるべく取材を申し込みました。もちろん、目撃されたカルガモさん親子は泳ぎに出られる程度に育った状態。シミズ・なうさんは「いつお引っ越しするかわかりませんが…」とのこと。カルガモさんと言えばお引っ越しが付きものです。急がねば!(カルガモ写真提供:清水建… Read More
  • 【体験ルポ】現場状況を計測・スケッチ レーザー距離計とアプリで変わる働き方 現場状況を計測・スケッチ レーザー距離計とアプリで変わる働き方 ライカジオシステムズのDISTO + sketchアプリ レーザー光点を当てた場所との距離が即座に分かるレーザー距離計。ライカジオシステムズからは、DISTOシリーズとして販売されている。 距離計だけでは、距離を測るだけでも、スマホやタブレットのアプリと連携させると、おもしろい使い方ができるようになる。 同社の担当、海野園里子さんが「現場での働き方が変わる」と、実… Read More
  • 【アクセスランキング!】2015年のベスト20記事を発表!  ブログ読者のみなさま。本年も建設通信新聞公式ブログと、びるるんをご愛読いただき、ありがとうございました。  ことしもベスト記事トップ20を発表いたします。  ことし掲載された1296記事からのベスト1位は、初めての国際コンペで2位となった豪州・コックスアーキテクチャーが、再コンペにあたって来日したという記事でした。  2位は、やはり新国立競技場関連で、JIAの見直し提言がランクインしています。全体的なジャンルでは、やはり建築関連が目… Read More

0 コメント :

コメントを投稿