2016/09/03

【2016夏休み特集】来年のご参考に…建築・建設・土木のイベント記事ご紹介![9]


■この世に1つしかないものをつくる! 女子中高生13人が新国立競技場設計を学ぶ リコチャレ@大成建設
 大成建設は29日、内閣府男女共同参画局が中心となって取り組んでいる「理工チャレンジ2016」(リコチャレ)の一環として、新国立競技場を設計している大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVの事務所に女子中高生13人(高校生3人、中学生10人)を招き、新国立競技場の設計内容や女性設計者の仕事などを紹介した。

 リコチャレのテーマは、「建築設計の魅力に迫る-新国立競技場の設計者に聞いてみよう!-」。冒頭、河野晴彦常務執行役員設計本部長は「国中が注目している国立競技場の話。まず誰かが白紙に絵を描かないと建物はできない。建築設計の特徴は、世の中に1つしかないものをつくること。使ってもらうことが仕事の喜びにつながっている」と話した。
 その後、国立競技場の設計の総合調整を担当している設計本部の玉井麻由子氏が、スライドを使いながら建物の設計スケジュール、設計時に考えること、こだわっている点など11月末までの実施設計業務の内容や、設計の仕事内容や設計という仕事を選んだ理由などを説明した。参加者は、実際の執務室にも入り、設計中の職員を間近で見学した。
 見学後には、「木を使うと聞いたが、耐久性はどれくらいか」「何人くらいでつくるのか」「やりがいは」「男性と仕事するのは大変か」などの質問が挙がり、玉井氏「木は、およそ20年くらいで取り換えた方が良い部分が出てくる可能性があるので、部分的に取り換えられるように設計している」「監督100人で、最盛期は職人2000人くらいになるのではないか」「図面が建物になるダイナミックさは苦労が吹き飛ぶ」「やりたいと思って一生懸命取り組むなら、男性も女性もない」などと答えた。

 ■暑いけどがんばってる! 新東名橋梁工事を家族が見学 三井住友建設東京土木支店


 三井住友建設東京土木支店(三宅悟常務執行役員支店長)は26日、神奈川県厚木市で建設を進めている中日本高速道路東京支社発注の新東名高速道路厚木第4高架橋(下部工)工事と厚木第2高架橋他8橋(PC上部工)工事現場で、社員家族を対象とした現場見学会を開いた=写真。13家族39人が参加し、普段はなかなか見ることのできない父親の仕事現場を目の当たりにした。
 夏休みを利用して初めて開いた。工事概要の説明会で三宅支店長は「お父さんが暑い中で仕事を頑張っている姿を見て、夏休みの良い思い出にしてほしい」と呼び掛けた。

 ■脱3K! いい環境で完成の喜びを 清水建設のリコチャレ@土浦駅前再開発


 清水建設は29日、2017年秋供用を目指して工事が最盛期を迎えている茨城県土浦市の土浦駅前北地区第1種市街地再開発事業施設建物新築工事(清水建設・岡部工務店・山本工務店JV)の現場で「夏のリコチャレ シミズものづくり現場最前線-ものづくりの世界、見に行こう」を開いた=写真。茨城県内で理工系分野を学ぶ女子高校生・専門学生ら32人が参加。図書とアートを核とする交流拠点複合施設の施工現場を見るとともに、現場で活躍する女性技術者らとの交流、さまざまな体験学習などを通じて、女性が働きやすい職場に変わりつつある建設産業の実態にふれた。
 内閣府と文部科学省、日本経済団体連合会が共催する理工チャレンジ(リコチャレ)は、職場見学や体験を通じて理工系に関心がある女子中高生・学生の進路選択を応援する取り組み。同社は昨年から応援団体として協力し、ことしは5回のイベントを開いた。
 見学会に先立ちあいさつに立った清水建設人事部の西岡真帆ダイバーシティ推進室長は、女性社員の意見を踏まえた職場環境改善や国内外の現場で活躍する女性技術者、仕事と家庭の両立支援など同社の取り組みを紹介しつつ、「女性が働きやすい土壌が整いつつあり、みんなでものをつくりあげる喜びは何物にも代え難い」と建設産業の魅力をPRした。
 この後、参加者は3グループに分かれ、それぞれ女性技術者らに引率されて、建設中の現場を見学するとともに、熟練技能者らの指導を受けながら、高所作業車や左官、配筋、測量などのさまざまな技術や機器を体験。同社が開発した空調服を始めとする熱中症対策など安全への取り組みにも関心を示していた。
 この後、学生たちと引率した女性技術者の星千紘さん、谷口早紀さんが対談。3K(危険、きつい、汚い)を心配する学生に対し、「マイナスのイメージは払拭(ふっしょく)しつつある。一緒にいい環境をつくろう」と呼び掛けた。また、「担当した現場で外壁の足場が外れた瞬間は、とても感動して涙が出た」など、入社動機や経験、女性ならではの働き方、休日の過ごし方などを紹介した。

■騒音対策も空調も花粉症も! 身近な製品に関わる空調設備学ぶ 新菱冷熱のリコチャレ

氷蓄熱システムの説明を受ける参加者たち

 新菱冷熱工業は8月29日、茨城県つくば市の中央研究所で、女子学生向けの『新菱冷熱サマースクール“空気をデザインする技術を見学しよう”』を開いた。理工系分野に興味のある女子学生らを対象に、将来をイメージした進路選択を応援する内閣府の「理工チャレンジ(リコチャレ)」に賛同したイベント。ことしは小学生から大学院生までの18人が参加し、快適な生活空間の創造を始め、医薬品や工業製品の製造現場にも欠かせない空調設備への理解を深めた。
 参加者は、空調設備業界でトップクラスの充実度を誇る中央研究所の概要説明を受けた後、研究所職員の案内で施設内を見て回った。
 騒音・振動の影響を研究する音響実験棟や、国内すべての外気条件を再現できる空間シミュレーションルーム、夜間の安い電力を使って冷房費用を抑える氷蓄熱システムなどを見学。花粉症治療の臨床試験室に採用する抗原曝露システムや、スマートフォンに使われているリチウムイオン電池の製造工場に不可欠なドライルームなどの説明も受け、身近な製品の開発・製造にも空調設備工事業が間接的にかかわっていることを学んだ。
 施設見学後には、日ごろ施工管理や設計に携わっている入社2年目の技術系女性社員3人が、入社の動機や仕事の内容などを紹介。参加者に対し、「この仕事は算数・数学や工作が好きな人に向いている」「現場は日々変化するので毎日が新鮮」「女性だからと困ることは特にない。もっと女性が活躍できるようにしていきたい」などと語りかけた。
 最後に中央研究所の佐原恭彦所長は「人の目に触れることは少ないが、建築において設備は血管のような役割を担っている。きょうの見学会を通して、空調設備を少しでも身近に感じてもらえればうれしい」と話した。

■大型ビルで小中学生が職人さん体験! けんせつ小町活躍現場@名古屋


 日本建設業連合会は8月30日、竹中工務店が施工する名古屋市中村区のささしまライブ24地区「グローバルゲート」新築工事の現場で「けんせつ小町活躍現場見学会」を開いた。夏休みを利用して参加した7組16人の小中学生と保護者が、女性技術者らの指導のもと、レンチでボルトを締める作業など、建設業の仕事の一端を体験した=写真。
 現場事務所では、施工管理を担当する竹中工務店の内山えみさんが「ここでは36階建てと17階建ての2つのビルと5階建ての商業施設をつくっています。きょうは皆さんに職人さんの仕事を実際にやってもらいます」と、子どもたちに分かりやすく工事の内容などを説明した。
 参加者は建設中の施設内で作業員たちのサポートを受けながら、レベル(測量機器)をのぞいたり、ラチェットレンチでボルトを締めたり、高所作業車に搭乗するなど、楽しみながら建設現場の魅力を体感した。

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