中日本高速の会見 |
同社によると、2日午前8時ごろ、笹子トンネル上り線の大月市側出入口から約1.7㎞地点で、コンクリート製の天井板が約110mにわたり崩落した。同トンネル(山梨県大月市~甲州市)上下線は、1977年12月20日に開通。全長は約4784m。
崩落した天井板は厚さ約8cm、幅約1.2m、長さ約5mのプレキャストコンクリート(PC)板で、トンネル天井から長さ約5.3mのつり金具でつられている。つり金具の間を壁で隔て、左右を送・排気ダクトとする横流換気方式を採っている。
つり金具はCT鋼を使ってトンネルに取り付けられ、直径16mm、長さ23cmのアンカーボルトでトンネル天井のコンクリートに13cmの深さまではめ込まれる設計になっている。今回の事故では、天井板がつり金具ごと落下しており、天井上部にアンカーボルトが抜け落ちた跡があることから、同社は、経年劣化でボルトに不具合が生じて崩落した可能性が高いとみて調査を進めている。
同社によると、これまでの検査で、つり金具と天井板の結合部分をハンマーでたたく打音検査をしていたが、つり金具とトンネル最上部の結合部分は「(天井板から)高さが5m以上あり、双眼鏡と懐中電灯による目視点検しかしていなかった」という。
同社は、同トンネル上下線に加え、同じつり天井板を設置している中央道恵那山トンネル(全長8.5㎞)、東名高速道路都夫良野トンネル(同1.7㎞)、新東名高速道路富士川トンネル(同4.5㎞)についても、つり金具とトンネル最上部の結合部分の打音検査などを行う緊急調査に着手している。
高速道路施設の経年劣化は、全国的な問題となっており、中日本、東日本、西日本の高速道路3社は、11月7日に「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」(委員長・藤野陽三東大大学院工学系研究科教授)を発足。3社が管理する高速道路の大規模な修繕といった老朽化対策について検討を始めたばかりだった。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月4日2面
0 コメント :
コメントを投稿