首都高速道路会社は、東京都大田区にある1号羽田線「羽田トンネル」で同社初となる天井板の撤去工事を行った。中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、安全性向上の観点から実施時期を早め、上下線のそれぞれ2カ所に各20mにわたってつり下げられている天井板648枚(計約84t)をすべて取り外した。工事は奥村組と首都高メンテナンス西東京が担当。高所作業車やフォークリフトなど延べ約400台、延べ約1100人の作業員などを投入し、工程どおりの連係プレーで撤去、予定どおり55時間後に交通規制を解除した。
工事は、22日午後10時に上り線の羽田入口~平和島出口・東海ジャンクション(JCT)と下り線の平和島入口・東海JCT~羽田出口を通行止めにした上で、計4班に分けて午前12時から始めた。
作業車両は上下線の各道路横断方向にそれぞれ3台並べて配置。1枚約130㎞(厚さ5cm、幅40cm、長さ2.5-2.65m)のプレキャストコンクリート製の天井板を1枚ずつ高所作業車のリフターで保持してボルト類などを外し、ローラーコンベヤーに乗せ、後方に配置したフォークリフトに受け替えてトラックに積み込み、トンネル外に搬出した。
この作業を繰り返し、24日の夜中には取付金具やつり材も含めてすべて撤去。近くにある同社の羽田補修基地に仮置きした。
その後、打音検査で見つかった異常個所をモルタル成形して落下防止用シートで押さえる補修工事を定刻前に完了させ、25日午前5時に通行止めを一斉に解除した。
羽田トンネルは1964年に開通。上部に排ガスの通り道をつくるための天井板を設けていたが、全長300mと短いトンネルのため、その後の車両の排ガス規制によって天井板によるダクトが不要になったことから、当初から撤去を予定していた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月26日
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