2012/12/11

【歴史的洋館】旧ジェームス邸を婚礼施設として再生 ノバレーゼ

ノバレーゼ歴史的洋館を婚礼施設として再生
(左・旧ジェームス邸、右・バンケット棟)
神戸を代表する歴史的洋館の『旧ジェームス邸』(神戸市垂水区)が婚礼施設兼レストランとして再生した。ウエディングプロデュース・レストラン運営のノバレーゼが、敷地を所有する三洋電機から借り受け、チャペルと披露宴会場を新設、8日から営業を始めた。1934年竣工の旧ジェームス邸を設計施工した竹中工務店が新施設の設計施工も担当した。

瀬戸内海を望むチャペル棟
旧ジェームス邸は英国人貿易商のアーネスト・ウィリアム・ジェームス氏が34年に建設、戦後は三洋電機の創業者である井植歳男が購入して自邸とした後、同社の迎賓館として利用した。2005年には雨漏りなどの対策として竹中工務店によって内外装の修復工事を行い、竣工当時の美しい姿に復元された。スパニッシュ・スタイルの本格的な洋館はことし2月に神戸市指定有形文化財に指定されている。
 旧ジェームス邸はRC一部木造地下1階地上2階建て塔屋2層延べ1664㎡規模。敷地内の旧プール部に延べ627㎡のバンケット棟を、庭園部にチャペル棟(延べ120㎡)を新たに建設した。
 土日祝日は婚礼施設に、平日はレストランとして営業する。垂水区塩屋6-28-1の敷地約1.3haからは瀬戸内海や淡路島を望むことができる。
 ノバレーゼにとって旧ジェームス邸は婚礼施設として24店舗目となる。今回のような文化財を婚礼施設として再利用することに積極的に取り組んでおり、「付加価値の高い会場を手掛けることで、地域にとっても誇りになる場所になれば」(同社)と期待を込める。13年には旧桜宮公会堂(大阪市)と辻家庭園(金沢市)も婚礼施設として再生する計画だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月11日9面

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