清水建設は、建築物などのつり天井を短期間・低コストで耐震診断する手法「ラッカノン」を開発した。診断費用は、天井面積が平方根当たりで1万円程度。延べ1万㎡程度の場合1日で診断が終了し、報告書・提案書の作成を含めても1、2週間で一連の作業が終了するという。今後は全国で年間100棟程度を診断し、改修需要を掘り起こしたい考えだ。
開発に当たっては、天井落下事故の調査や振動実験などで、つり元の構造やつりボルトの接合状況、部材接合部の耐力、天井部材と設備との干渉による影響などをデータベース化した。調査シートや診断シートも標準化している。
調査シートは、ブレースの形状や設置間隔、接合方法、天井のつり方など最大32項目について、診断担当者が調査・実測結果を記入する。一方の診断シートは施設所有者に提出する書式で、調査結果に基づき、「耐震改修不要」のAランクから「落下防止の応急対応が必要」のJランクまで10段階で評価する仕組みだ。
新たな診断手法は、東日本大震災で数多く発生した崩落事故を踏まえて開発した。国土交通省の調査によると、全国の大型物件1万9000件のうち、2割以上で構造的な問題が見つかっている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月19日3面
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