2015/09/20

【岩田産業】歩行者も作業者も安全に! マンホール昇降用安全柵『孔柵くん』


 千葉県内を中心にプラント設備の工事やメンテナンスなどを手掛ける岩田産業(千葉市稲毛区、岩田晋代表取締役)が開発したマンホール昇降用安全柵『孔柵(こうさく)くん』。設置することで周囲からの視認性が高まり、安全帯も取り付けられるなど、マンホール作業の安全性が飛躍的に向上する。県水道局を皮切りに普及が拡大し始めている。

 同社は、地方公共団体から下水道のマンホールポンプの点検業務を受注している。これまでは、コーン標識で囲って点検していたが、自動車や自転車が突っ込んでくる可能性があるだけでなく、作業員自身も穴に落ちる危険性があるため、常に緊張しながら業務に当たっていた。
 千葉市内では14年夏、他社の作業員がマンホール内で硫化水素を吸って意識を失い亡くなり、2㎞先で見つかった事故があった。一般市民が誤ってマンホールに落下する事故も全国で起きている。
 そこで「作業員や一般市民の事故が減ってほしい」との思いから、同社は『孔柵くん』を開発した。商品はマンホールの内側に沿った形状の枠と柵の2つで構成する。取り付けは枠をマンホールにはめ込み、枠から上に伸びる7本のピンに柵を差し込むだけで済むため、所要時間はわずか10秒程度だ。柵の出入り口にはチェーンを2本かけられる。収納時もコンパクトにたたむことができ、運搬も容易だ。
 柵があることで、安全かつ容易に昇り降りでき、視認性が高まる。さらに柵に安全帯やセーフティーブロック、投光器や酸欠計、『点検中』の札を付けることもできる。
 素材はステンレス。現在は一般的な内径600mm対応型を用意しており、同900mm用も受注生産する。2014年度から販売を開始し、納入した県水道局などの発注者からの評価は上々だ。「類似品があると思っていたが見当たらなかった」ため、ことし5月に特許を申請した。
 現在は県内や東京都内の自治体を回り、点検業務の発注などで仕様書に盛り込んでもらえるように営業展開している。国内外からの注文も受け付けており、「少しずつ実績を上げ、全国に広がっていけば」と意気込む。
 将来的に設備メンテナンスや電気工事を手掛ける企業、リース会社、電力会社などへの普及拡大を目指すとともに、「顧客の声を拾いながら改良していきたい」との考えだ。
 岩田産業 千葉市稲毛区長沼町335。電話043-259-7266。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿